(一つ前の日記からの続きです)
「米国人特派員と聞いたら、まず疑ってかかれ」
(後半転載)↓
GHQはもう一つ日本の世論を操作する機構を置いた。外人記者会だ。
気に食わない政治家が出た場合、米国が直に粛清する代わりにここが「国際世論」を創り出し、日本の新聞に粛清させる。
マーク・ゲインの『ニッポン日記』にGHQの意向で、外人記者会の午餐会に鳩山一郎を招き、各国特派員が総がかりで彼を吊るし上げる件(くだり)がある。
朝日はそれを受けて鳩山を叩き、とうとう政治的に葬ってしまった。
GHQが去った後もこのシステムは生き残った。
角栄が首相になって3年目、外人記者会が彼を午餐会に招いた。まずロサンゼルス・タイムス特派員のサム・ジェイムスンが立って「文藝春秋」に載った田中金脈を糺(ただ)した。
各国特派員が続き、角栄を吊るし上げた。
「文藝春秋」が報じても一切応じなかった日本の新聞はそれをみて米紙に追随し、結果、角栄は辞任に追い込まれた。鳩山ケースと寸分変わらない展開だった。
続くロッキード事件も同じ。米国がしつらえたのを朝日が触れ歩き、三木武夫が悪乗りして、とうとう名宰相角栄を潰してしまった。
そこまで威力を持つ外人記者会も最近はさすがにいい加減になった。副会長の米国人特派員マイケル・ペンが実はただのフリーターだとバレた。
そんな外人記者会で先日「朝日新聞の慰安婦報道を訴える」会が会見した。
朝日の嘘がいかに日本を傷つけたか、趣旨説明に対し、そのペンが反論した。「朝日の性奴隷報道は真実として国際社会に定着している」、何を今さら言い出すのかと。
ただ反論した相手が悪かった。評論家の加瀬英明が立って「日本の歴史に奴隷はない。奴隷国家の人間に性奴隷とか言われたくない」、「お前たちは日本に居ながら不勉強が過ぎる」とも。
ペンは黙った。戦後の虚構がやっと綻(ほころ)びだした。
(後半転載 了)
新潮文庫
「変見自在 トランプ、ウソつかない」
高山正之著 より
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