庶民の街リューリン・・・ に長く住むワタクシですが、実は引っ越したいと考えています。理由は・・・
住居棟の老朽化でメンテナンスに費用がかかり始めたことです。先日ウチのヴホッド(入口=隣人23軒の自治会を意味する)の会計担当カティアおばちゃんに会いました。「今晩、アサンスィオール(エレベータ)のメンテナンス費用を集めるわネ。」
「ウチはいくら?」
「え~っと・・・ 53レバかな? あと電気代で8レバねっ!!」
ガ~ン !! 50レバってけっこうな額だっ!! 案の定、隣人の皆さんの中には払えない人も多く、その万はドアの外でカティアおばさんとケンケンゴーゴー!!! 大騒ぎっ!! みーんな払えないし、払いたくない!! まァ、仕方ない。社会主義で甘やかされた人々に、「自分たちでメンテをする」という考えそのものが受け入れにくいものになっているのですから。
ウチはまだいい方で、所によっては一つのヴホッドの何軒ものアパートが無人・・・ ということもあります。これはブルガリアの遺産相続の法律と関係ある場合も多く、相続人が複数いて、連名で所有されていると売るのも貸すのもその権利者全員の同意が必要になります。この不況下、皆がお金が必要でシビアな問題を生じかねない!! で、不動産もメンテされずにそのまんま放置・・・ ということが多いのです。その上、外国に出稼ぎに行ってしまっていたり、年金をもらえるようになったから田舎に引っ込んでしまったり、住んでいても全然公共料金を払わない(払えない)という人も多く、こういう住居棟の共同部分である屋根、入口、階段、その他の部分がボッロボロっ・・・ なのに各部屋には個人的にお金をかけてキラッキラ!! っつー状態が普通に見られます。ブルガリア、特にソフィア市民のメンタリティーってこうなんだそうです。
このままだと不動産の価値がダダ下がりしやしないか? 不動産価格って景気に左右されるものだけど、ブルガリアの場合は老朽化によって下落(笑)・・・ リアルな下落っつーヤツになると目も当てられないっ!! ブルガリア全体の貸借対照表の資産の部は総崩れになるゾ~っ!! 借金も起こせない!!ってことになりやしないか? ・・・まァ新しいところも建ててるけどネ~。ホントはウチのヴホッド、「シュトランゴベ」(配管)も全取替えの必要に迫られているのですが、そんなお金どこにもありません。上の方には鳩がいっぱい住んでて、なぜか入口の周りには鳩の羽根、ちぎれた羽、それに死体が散らばってるし・・・
キチンとした人だけが住んでいるところはキレイに・・・ でも、どこも何かしら問題があるようです。