友人のラトカはパナギュリシテという地方都市出身。何ヶ月か前から、ダンナのルスランを伴ってちょっと里帰りしたいので一緒に行かないかと誘われました。「荷物があるので車を出してくれたら全部面倒見るよ・・・」と。ラトカの実家は4世代同居。大きな家だけど、泊まる部屋は無し・・・ ということで二人のクモベ(お仲人さん)のデヤンとナトカの家に泊めてもらうことに。
話をツメていくと、ちょうどパナギュリシテにいく日に、隣町,バラと温泉の街ストレルチャでバラ祭りがあることが判明!! このパナギュリシテからストレルチャにかけてはここの所ほぼ毎年バラの時期に通っているんだけど、バラ祭りの当日に行ったことはないゾ!! 有名な(そして何千人も日本人の訪れる)カザンラクのバラ祭りにはない、地元の人しか知らない小さなバラ祭り、これは是非行って見たい!!
ストレルチャのバラ祭りは土曜日の夕方。デヤンにどんな計画になっているのか聞いてみると、
「ストレルチャの町長は知り合いでね。知ってる人がみーんなあの町ではバラ関連の仕事をしててね~」
オオッ!! 出たっ!! ブルガリア人の言葉で聞き逃してはいけない、「知り合い、友人がやっている」=情報がかなり確実で、しかも普通では受けられないサービスを「知っている人の特権」(プリヴィレーギヤ)で受けられる可能性がある、という意味です。夕方からデヤンとナトカ、そしてラトカたちとみんなでパナギュリシテからストレルチャへ。
役場前の広場から、温泉の湧き出ている(温泉施設もある!)公園を一回り。パナイル(移動遊園地)も来ていて・・・ ラトカ、ルスラン、それに彼らの友人のゴショ3人でサッカーゲーム(ヨーロッパでよくあるあのタイプの)に興じてみたり、子供たちも寄ってきて楽しそうに応援してくれます。
そうこうしているとデヤンが、
「さあ、ロースオイル工場に行こう!バラ祭りにあわせて公開されるんだ」と、私を引っ張って車で町の上のほうに連れて行きました。町を抜けると少し開けたところに煙突のある工場!! なぜか日の丸もブルガリア国旗と一緒に・・・ 階段を下りて中に行くと、あのバラの香りがふわ~~~っ!!
こういうバラ祭りのイベントなので、「バラの女王」つまりはミス・バラ祭りのモミーチェと、「彼女は将来こうなるであろう」(笑)近所のおばあちゃんたちが蒸留所の建物の中で集まって歌を歌い祭りを盛り上げます。「バラ摘み唄」とても言いましょうか、のどかなバビチキ(おばあちゃんたち)の歌声が工場内に響きます。唄が終わると、「ホラッ、写真とって。アンタも一緒に入りなさい、私たちと一緒に写りなさいヨ」と大喜びのおばあちゃんたち・・・
デヤンの知り合いの町長さんにごあいさつ。そして市役所前のイベント会場に移動・・・ なのですが、歌を歌い終わってホッと一息しているバビチキに町長、「ほら、時間がオしてるんだから・・・ ハイデ!!」とせきたてます。バラの女王もおばあちゃんたちもエッチラオッチラ階段を昇り・・・ 「オフッ(アイタタっ)・・・オフッ・・・レレ~(あァ~) もう足が痛いんだから・・・」と大変そう。
バラ祭りはゆる~い感じで町長やおばあちゃん達の到着で始まりました。町長のあいさつもグチ交じり・・・ それに反応する聴衆の反応もグチ交じり・・・ 「ローズオイルの買い取り価格が安く叩かれてやってらんないよ・・・」 そして地元の子供達が、幼稚園から10代のおネエさんたちまでユニフォームや民族衣装に身を包みお遊戯(笑)を披露。それを見た幼稚園にも至らないお子チャマたちも、仲間に入りたくてその輪へ入って行こうとし、ママに引き戻されることもしばしば!!
地元選出の政治家のセンセイたちなどのエラい人たちのお言葉やバラの女王のあいさつ、そしてみんなのお遊戯がひとしきり終わると、バンドの演奏でみんなホロを踊るんだろうな~ というところで私たちは退散・・・ モミチェタとバビチキが主役で、真ん中の現役世代が何もしない(?)素朴でゆる~いバラ祭り。パナギュリシテまで約15分の道のりを列車と競争して帰りました・・・ つづく