昨年秋、「ムフフ♪ 今年はぶどうはもらわないので自分の好きな品種でワインを作ってやるゾ~」とイキマイておりました。で、手に入れたのはブルガリア固有種といわれる「マヴルッド」。味も色も濃く、重めのワインができるはず・・・ あと、これもブルガリア固有種の「シロカ・メルニシュカ」も欲しかったのですが、これは秋の早い段階(まだけっこう暑いうち)に売切れてしまったようで、手に入りませんでした。
夏が超超暑かったのでぶどうの収穫の全体量が少なかったのだとか・・・ へぇ~、そうなんだネー。なんだか暑いほうがいっぱい取れそうだけど。あと、リューリンの市場の不法占拠問題とあいまって、いつもぶどう屋さんがいるところはさーっと引いてしまい、ぶどうを手に入れにくかったりしました・・・。
いつも通り、ひとつおぼえのレシピでワイン作り・・・ つまり手で潰して、発酵を促進するためにいつもの分量でお砂糖を加え、ミネラルウォーターのボトルで発酵を待ちます。ふつふつと泡が立ってきて、それが落ち着くと・・・ できたーっ!! と、滓を濾して、炭酸飲料のペットボトル(これ、けっこう大切!だってビンの中でも少しずつ発酵するから圧力に耐えるペットボトルじゃないとダメなんですよ)に口のぎりぎりまで注いでしっかりフタをし発酵を止めたつもりだったのですが・・・
先日、「一本試して見ちゃおーっと♪」と開けようとすると・・・ ブシューッ!! ブズブズブズ・・・ わわわ~っ!! 発酵が止まってなかった?! しかもすごい勢いで発泡してるって!! スパークリングワインになってる!?
実はワインを作った後でわかったのですが、基本的にはワインを作るときには砂糖は加えない人のほうが多いし、ブルガリアの北側の地方のぶどうで糖分が足りない場合にはそれを補うという考えで糖度計で計りながら砂糖を加えるものらしい。なにせ「砂糖を加えて作ったワインは飲むと頭が痛くなるからすぐわかるよ」という人がいるほど・・・ さらに「夏、暑いとぶどうの収穫量は減る、でもぶどうの糖度は上がる」ということのようです。ウチには糖度計はないし・・・ つまり、もともと糖度の高いマヴルッドというぶどうがさらに暑くって糖度が高くなった・・・ そしてそれに砂糖を加えすぎていた、というわけです。アワアワワヮ・・・
今年のワイン、妙にアマ~い、悪酔いしそう~!! こりゃ炭酸飲料で割るしかないなー。(ちなみに炭酸飲料でワインを割るのは、ヨーロッパではけっこう一般的な飲み方です。安い炭酸飲料でも味のついていないクラブソーダでもいいし。でも、「ファンタ・レモン」で割るのがけっこう好きっ!! でも、気をつけないと高級ワインをお呼ばれしたときのおみやげとしてプレゼントしても、そのワインを安い炭酸飲料で割って出されてガッカリ、というか「それってワインに対するブジョクだろーっ!!」 と激怒したくなることがあるのでご注意。) でも、これはこれで悪くないか。スパークリングワインの作り方の一部を知らないうちにやってたワケで・・・ シャンパンみたいにあと1年くらい寝かせてみるぅ?
今年のぶどうのシーズンの前に糖度計、買わなくちゃ。今シーズンはおいしく作れるかなァ~!?
12月のクリスマス時期、「あー、このブーツ、3年目だからそろそろ新しいのを手に入れないとね~。」と思っていつものお店へGO!! 「スタンボリスキ-通り」はソフィア市内でも物が集まる割には庶民的で、よく利用しています。そこの「マット☆スター」靴店はブルガリア製の靴を売っててけっこういいんですヨネ~。
去年の年末には「ナマレーニエ(=割引)」ともう表示されていて、こりゃ~早く買わないといいものは無くなっちゃうなー、と思い焦っていたのですが12月31日までその後行けずに・・・ しかもちょっと心の中で、「年明けはもっとお安くなるはず」という思いもあって、そのままにしていました。そして年が明けてから行って見ると、いつもは何人もお客がいるはずの店内は店員だけでシーン・・・ あれっ?例年とはちがうなァ・・・
で、ブーツコーナーを見ると、これまたビックリ!! 年末に見たものがほぼすべてある!! つまり、売り切れてない!! そして値段が年末すでに割引されていた価格からさらに半額になってる!! えっ!? ここまでオトしてるのにどうして!? でも、ヤッター!! それで一足だけ買おうと思っていたのですが2足買っちゃおーっと。店員さんに、
「これも見ていいですか?」と言うと、
「え?こちらの、先ほど試着されたブーツのほうがいいものですよ?」
「ええ、ですからこちらも足に合えば買いたいな、と思いまして・・・」と返すと、店員さんはテンションUP!!
「ハイハイ!! すぐにサイズをお出しできますよ~♪」
サービスにたっくさんカレンダーのカードとおまけの「ヴィスルカ(=キーホルダー)」までもらっちゃってワタシもゴキゲン!! 1足分で2足ゲット!! ふくらはぎの所まで内側に毛がポワポワですっごく温かく、しかも軽くて凍結した道でも滑りにくい!!
どうしてこんなにいいブーツが売れ残っているのかな・・・ と思っていたらあのボリソフの辞任騒ぎ!! 冬の電気代、暖房費の高騰で、人々は市内あちこちで、「こんなんでやってられっか!!」とデモ!! そりゃーブーツを買うゆとりなんてないかも。さらにオシャレな革製のブルガリア製品よりも今年は中国製のナイロンやゴムで作られた長靴を履いてる人(特に年配者や子供達)を見かけました。 それにこの冬は雪が積もって残ることがほとんどなかったので昨シーズンの「ヘビデ」なブーツは出動する暇もなかったし・・・
う~む、いいものなのにネ。ブルガリア人がブルガリアの気候を考えて作ってるから。でも今回母に1足プレゼントしました。 「あったかくていいわヨ~」と大喜び!! ブルガリアに来たらブーツも見てみてくださいネ!!
いっや~、今年の冬は昨冬のように寒くなくてよかったァ~!! 体はとてもラクでした!!
3月に入り、この時期から建設業界は活気づいてきます。ここのところ経済的には何もいいことがなかったブルガリア。でも、これから暖かくなったらいいこともあるヨっ!! て思いたい。
昨年の今ごろ(だったかな?)からテレビでも取り上げられていたリューリンのニュースの一つは公設市場のあたりに広がる不法に作られた店舗。 恐らく支払うべき費用や税金を払っていなかったのでしょう、この一帯で売られている野菜は他のとこより安かった!! 何も知らないワタシはよくそこで買い物をしたものでした。地元のブルガリア人たちもたっくさん利用してたしネ~。 でもある日、テレビ局の車がそこに横付けし、向かいの住居棟の一室からカメラを向けて撮っている!! その市場にいる人たちはお互いに、
「顔を隠しておきましょう!! バレると警察が来るワ!!」 と、何だかただならぬ雰囲気・・・ いつもの若~いおねえさんジャーナリストがやってきてマイクを向けてインタビューしようとしても販売している側はかたくなに拒否!! 仕方なくマイクは買い物客に向けていました。
そんなこんなですったもんだあったからか、冬に入る前にこの一帯の店舗はすべて撤去されてしまいました。ここらへん、ネコを飼っているお店もいっぱいあって、かわいい子猫たちがいっぱいいたり、お店の人からも、
「子猫いらない?」 なんていわれるのでいつも買い物していた八百屋さんには「ネコ屋さん」と呼んでけっこうヒイキにしてたのに・・・ ネコたちもお店の人たちもどこに行っちゃったんだろう・・・? でも、日本から帰って来て見ると新しい店舗が作られつつあるっ!! 一応の決着を見たのかな?不法占拠問題は・・・
まだ完成していなくてもさっそく商売を始めている八百屋さんもいます。ワタシが写真を撮っていると、ここで商売するであろうおばさんが、
「私も写真にとって!! どこに送るの?台湾?あらっ、日本なの? じゃあ商品も持っちゃうからキレイに撮って!!」
首都ソフィアの東側のムラドスト地区と比べて今だに超庶民の街リューリン。実は土地は空き放題空いています。実際リューリンの2丁目3丁目と、7丁目8丁目の間の、スーパー「ビラ」のはす向かいは角地が大きくポカーンとあいたっきり・・・ 郵便局にも地下鉄駅にも、そしてもちろん市場にも近い、いいところだけど、なぜか今にいたるまで手付かず。どうしてかな? ムラドストなんて、以前公園だったところもつぶして新築マンションを建てて、すっごい高い値段で売ってたりするんだけどネ~。
そういえば、その交差点の大通り、「ツァリッツァ・ヨアーナ」、今まで行き止まりだったところを工事していて、もうすぐソフィア外環道に直結するみたい。そうすると夕方、特に金曜日のウチの近所の渋滞は軽減されるかな? そしてソフィアからギリシャ方面への交通がすこし便利になるかな? 久々にまたギリシャに行ってみたいな~!!
おまけ: 今日は3月8日、グーグルのトップも「国際女性デー」の表示になってますね!! ブルガリアではこの日はけっこう盛大に祝われ、女性がお花をもらう日、大切にしてもらう日、ということになっているようで・・・ 3月1日のマルテニッツァに続き、またバス停や市場の近くの通りはお花を売る出店でいっぱい!! ヒヤシンスが人気だけど、なぜ?
日本から2月も終わる頃に帰って来てみると、街中に露店が!! そう、3月1日の「マルテニッツァ」のお飾りを売っているのです。
2月28日、そして3月1日にはバス停というバス停どこにでもそんな露店があり、大きなパザールの近くは歩道上にズラーッと露店、そしてそれを見ていく人たちでごった返します。
こういうものは何でもこの時期、「無礼講」で、だれでも露天を構えてもいいらしい。 警察もまわりをウロチョロしていますが、「ここでは売るな!」、「書類を出せ!」と言って、売っている人たちを追い立てたりはしていないみたい。日本円で20~30円くらいのものですが、売れればけっこういい商売になるのかも。それで、ここぞとばかりにマルテニッツァのあの典型的な紅白のヤツと一緒に、手作りの毛糸の編み物作品も並べて売っています。毛糸の室内履き「テルリッツァ」は大人用のだけでなく、赤ちゃん用の「テルリチキ」(チカで「ちっちゃな」と言う意味で、その複数形)も、もちろん紅白もありますが、ピンクやレモン色、モスグリーンなどのカワイイのが並んでいたり、日本で言うところの「キューピー人形に手編みのドレスを着せた」ような手芸作品も、紅白のものだけでなくいろんなカラーのものが売られていたり・・・ マルテニッツァの飾りよりも利幅がありそうです。(笑)
もともと手先の器用な女性の多いこの国。もっと職場で訓練すれば品質の高い製品を作れそうなんですけどね~。でも、こうでもしないと直接現金収入にはつながらないようです。
今年もエレベータの電気代を集めに来たドモプラビーテル(自治会長?)のカティアおばちゃんが、いいっつーのに、「トラディツィア(伝統行事)だから!」って置いていったマルテニッツァ。 これじゃあ、原価も輸送費も、仕入れ値も、そして販売価格でさえ利ざやはほぼなさそう・・・ 薄利多売なんでしょうか・・・ そして、そんなお金もないはずだし、少しでも取っといて何か別のことにまわせば・・・ と、ついつい思ってしまうのですが、こうでもしないと明るい気持ちにならないのかなぁ。
マルテニッツァは春の始まりに幸運と豊作を祈願するための、このバルカン地方の祝祭といいますが、このところ「幸運」とは程遠いブルガリアの経済状態。 とうとう、アノ強気だったボリソフ首相も内閣とともに職を辞し、入院してしまったとか。 その原因となった電気代や温水などの急激な価格の高騰ですが、国会では、国民の水道光熱費の未払い分はこの3年間分のみ請求し、あとは「棒引き」にする、と言うことにすると言う話が。 でも、そうしたら電気会社や温水の会社にはその損失を補填してくれるアテがないので、取り損ねないために12月分くらいからバカ高い請求を送りつけているらしい、と言うウワサ・・・ 確かにここ何ヶ月、何人もの友人が、
「今までこんなに使ったことないのに」とか「こんな高額請求、見たことない(怒)!!」と言っています。聞くところでは、「ハダカ電球1個しか電気がないのに何百レバも電気の請求が来た!! 何でだ!?」と言う話もあったらしい・・・ 聞いていると特に未払い分のある人にこんな高額請求が行っているような感じがします。いずれにしても年金が日本円にして1万2000円しかもらえないのにそんな請求が来たら払いようがないですよネエ・・・
そういうわけでここ数週間、ソフィア中心部で続くデモ。あ~んなにみんな幸せを祈願してマルテニッツァのお飾りをつけても、何だか物事は逆の方へ行っているような・・・
少なくとも、マルテニッツァをつけてもらったウチの近所のノラちゃんたちには、何かいいこと、あるのかなぁ・・・?