モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

祝スペイン初優勝!(FIFA2010南アフリカW杯)

2010-07-12 | サッカー
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 失礼ながら、たこ焼きやの愛想のいいおじさんが似合いそうなイニエスタですが、疲労困憊のはずの延長戦後半であの落ち着いたボレーシュートを打てるとは、本当に凄いです。普通の選手ならDFが寄せてくるので蹴るタイミングが早すぎて打ち上げてしまうところです。交代で入ったフェルナンド・トーレスのクロスがはじかれたところをセスクが拾ってマークをはずして外に開いたイニエスタにラストパス。それを確実に決めました。鳥肌が立つほどのクールなシュートでした。今週いっぱいスペインはお祭り騒ぎでしょう。それともこの夏いっぱい!?

 今回のスペイン優勝は、スペイン国民だけでなく多くのエコノミストも望んだことだとか。ギリシャに次ぐ欧州では経済破綻が危ぶまれるスペインが優勝すれば、その経済効果は計り知れないものだからというわけです。優勝賞金の3,000万ドル(約26億4,000万円)も凄いのですが、放送権料やもろもろの経済効果を考えると数百兆円という試算もあるほどです。試合が非常にナイーブな入り方をしたのは選手がそんなことを考えたからではないでしょうけど。序盤のオランダは確かにスペインを非常に警戒していました。そして意図的にラフプレーを仕掛けました。

 お互い息詰るような前半は、どちらが勝ても初優勝という緊迫したゲームで、ミスをしたら負けるという緊張感が漂っていました。ボールポゼッションは予想された通りスペインでしたが、時折見せる鋭いカウンターが決まっていれば圧倒的にオランダのゲームになったかもしれません。それを防いだのが、プジョルとなんといってもスペインの守護神カシーリャス。スーパーファインセーブを連発して得点をさせませんでした。

 そうなると、最初に焦れた方が負けるだろうなと思って見ていたら、後半終了近くになるとスペインが挑発したわけでもないのにオランダがいらだち始めました。この辺りから流れは完全にスペインへ。得点は時間の問題かなと思ったところでの貴重なゴール。W杯の決勝戦はいままで疲労の蓄積や神経質な心理状態から凡戦になることも少なくはなかったのですが、今回はわりと最後まで緊張感のある試合でした。その分見ている方も疲れましたが・・・。

 スペイン代表の中心はバルサの選手で、もとはクライフのサッカー。オランダのトータルフットボール。それがオランダと対戦するわけですから、どちらが勝ってもオランダの勝利と書いた記者がいましたが、ともかくバルサ、およびスペインの育成システムが優勝に導いたことは間違いないでしょう。Jリーグがその育成システムを手本としようとしているのは、本当に楽しみです。そして願わくば、新生日本代表はスペイン代表と試合をして欲しいと思うのです。パラグアイに勝っていれば実現した幻の試合です。

 世界にとってもスペインのようなパスサッカーのチームが優勝したことは、よかったと思うのです。もちろん日本代表にとっても。今回のW杯で、ひとつの目指すべき方向性が見えたような気がするのです。パスサッカーを基本としつつも、相手によっては柔軟にリアクションサッカーもできるチーム。あの2002年に優勝したブラジルでさえ、イングランド相手の試合では、それまでガンガン上がっていた両サイドバックを上がるらせず、前の三人だけで攻撃し、しかも得点していました。強いチームはスタイルを持っていつつも時には試合によって、または試合中でも柔軟に対応できる応用力を選手や監督が持っているものだと思うのです。スペインでさえ常に高いボールポゼッションを維持していたわけではなく、オランダの時間帯もありました。そのときに焦れることなく冷静にしのいだ事が最後のゴール、勝利につながったのだと思うのです。

 真夏の夜の夢のような熱いシーズンが終わりました。4年後はブブゼラではなくサンバのリズムが響きます。また、冬のシーズンですが、ブラジルにはアマゾンという熱帯があります。マナウスやベレンで試合があれば、相当厳しいものになるでしょう。10万人以上の観客で満員のマラカナンスタジアム(今は喧嘩が絶えず危険で廃止されましたが、ピッチの周りに溝になった立ち見席がありました)でフラメンゴとサントスの試合見た日を昨日の事のように思い出します。ブラジルのピッチに立つ我らが日本代表(まず出場権をとるべし)が、今から本当に楽しみです。

 それにしてもあのタコくんの占いは完璧でしたね。水族館の人の話によると、どうも毎回派手な国旗の方に行っていただけらしいとのことですが・・・。タコはエビやカニに似た赤い色が好き?
試合の詳細は、FIFAのオフシャルサイトで。
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