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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

春爛漫。上杉謙信の陣城跡・陣場平の貝母。堂平大塚古墳の紅梅。妻女山山系のダンコウバイ(妻女山里山通信)

2022-03-31 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が20度。午前中はやわい南風。昼に突然北風に変わり突風が吹きましたが、すぐに穏やかになりました。妻女山山系も一気に春めいて来ました。しかし、週末はまた寒の戻り。三寒四温で暖かくなるでしょう。

 陣場平の貝母も、なごり雪でつぶされることもなくスクスクと育っています。なかなか広いので、その全貌を写すことは難しいのです。今回は東南の端から左から順に撮影して紹介します。次回は魚眼レンズを持って行きましょう。この左にもまだ群生地はあります。

 少し右へカメラを振って。奥に太いクマノミズキがあります。その向こうが上の入り口の丸太のベンチがある場所。右奥は現在貝母の中心的な群生地ですが、2014年頃はヨシとノイバラの群生地でした。

 更に少し右へ。更に右にも群生地があります。株と株の間には、種がこぼれて生えた貝母の実生がたくさん出ています。足を踏み入れないようにお願いします。陣場平は、川中島の戦いで上杉謙信が布陣したと伝わるところです。
斎場山から天狗山へ。上杉謙信斎場山布陣想像図。古書の虫干しで大発見(妻女山里山通信):『川中島謙信陳捕ノ圖 一鋪 寫本 』榎田良長とGHQが空撮した斎場山から陣場平のカット。

 毎年真っ先に咲き始める西斜面の貝母。葉の先が丸まって来ました。これを互いに絡み合わせて、この時期襲来する爆弾低気圧の突風から身を守ります。

 蕗の薹(とう)も、妻女山山系のあちこちで出始めました。雄花。雌しべがあるので両性花ですが自家受粉はできません。

 こちらが雌花。雌花の中にも両性花が混じりますが、やはり自家受粉はできません。なぜか雄花の方がたくさん見られます。味は、雌花の方が苦味が少ないと言われますが、混ぜて蕗味噌や天ぷらにするので分かりません。

 ノイバラを抜いたり、地下茎を掘り出したりの作業をして、昼は堂平大塚古墳のログハウスへ。左が爺ヶ岳で右が鹿島槍ヶ岳ですが、春霞にもやっています。シジュウカラが盛んに鳴いています。ヒオドシチョウが舞い、テングチョウがあちこちで見られます。

 紅梅が一気に咲きました。白梅より中国風な感じがするのはなぜでしょう。

 艶やかな花色ですが、香りはあまりありません。

 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、明治初期にヨーロッパから伝わった帰化植物ですが、あまりに当たり前にありすぎて、そういう感じはしません。オオバコ科クワガタソウ属の越年草。日が当たるときだけ花を咲かせる一日花で、別名は星の瞳です。ホトケノザももうすぐ咲きそうです。
「犬ふぐり 星のまたたく 如くなり」高浜虚子

 タネツケバナ(種漬花)アブラナ科タネツケバナ属。オオイヌノフグリやホトケノザ、ヒメオドリコソウなどと共に、畑の雑草ですが、よく見ると可愛い。

 苔むした倒木の苔も、胞子嚢をつけています。別名を苔の花ともいいます。胞子嚢には、丸形、杯型、蓋付き、毛に覆われたものなどがあります。鳥の頭みたいでなかなか可愛いものです。
コケ・地衣類 [MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery]の写真図鑑

 これだけクローズアップにすると、逆に何の花なのか分からなくなりますが、ダンコウバイ(檀香梅)。クスノキ科クロモジ属の落葉小木の一種。別名でウコンバナ、シロヂシャ。花も芳香がありますが、小枝を折っても香ります。切っても旺盛に蘖(ひこばえ)が多数発生し、放っておくと森が葉で覆われて真っ暗になります。

国分寺・国立70sグラフィティ」ー村上春樹さんのジャズ喫茶、ピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクルまたはスラップスティックー から、「春に似合うアルバム。私の一推しはこれ。『April in Paris』」の記事からの抜粋。
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 春は新生活が始まり希望の季節だが、同時に精神が不安定になり易い。寒暖の差が激しく自律神経が乱れるからだ。春眠暁を覚えずとか5月病とかいうが、気候変動の激しい春から初夏にかけては、体だけでなく心も疲れるものだ。その上、日本では春に新学期や入社、転居などを迎えるため、余計に精神のバランスを崩しやすい。そういう知識を持って、臨むといい。昔の人は、それを知っていて、「木の芽時」といって備えたものだ。そういう季節なんだと思えば、心も体も少しは軽くなる。肉や炭水化物の量を減らし、野菜や発酵食品を多めに摂る。砂糖や乳製品もできるだけ控えた方がいい。心も体もデトックスが必要な季節。蕗などの苦い山菜や抗酸化作用のつよいコシアブラなどの山菜やノビルやヨモギなどの野草を食べるのもいい。それが野生動物や先人の知恵だ。もちろん放射能汚 染されていないものを。
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