~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

手を動かすってこと

2021-09-26 20:51:34 | 日記
昨日、心待ちにしていた本が
届きました。
若松英輔の
”常世の花 石牟礼道子”
何と静かな清らかな装丁
でしょう…
石牟礼道子さんは、
”苦海浄土 わが水俣病”を
書いた方です。
読み始めたばかりですが、
言葉が心の深みに静かに
降りて来て、魂を震わす
ようです。
今となっては叶わぬことですが
時々、石牟礼さんと初女さんが
出会っていたら…と想像する
ことがあります。
きっと、言葉を必要としない
魂の触れ合う沈黙の時間が
流れ、石牟礼さんが
郷土料理を
振るまわれたのでは…
初女さんもまた…
こんな想像をするだけで、
体の中が、ぽっと温かくなる
気がします。
 若松さんが石牟礼さんに
考えることに多くの時間と
労力を割くようになった
現代人は、何かに「ふれる」
のが、あるいは「感じる」のが
不得意になった、いのちの姿は
考えるだけでは現れてこないと
思う、と言われたら
石牟礼さんは、暫くの沈黙の
後に「手をたくさん動かすと
いいですね。
手仕事をするとよいと思います
現代は、なるべく手を
動かさずにすむ社会を作って
来た、このことで人は便利な
生活を送れるようになった。
しかし、その陰で生ける
ものへの感覚を見失ったのでは
ないかと言われたそうです。
初女さんも手のことを語って
います。
”ああでもないかこうでも
とないかいろいろ勘ぐったり
すると物事がややこしくなって
しまいます。
複雑に考えないで、とにかく
手を動かすこと。
私は大好きな料理や裁縫を
するの。
それも普段できないような
手数のかかることをあえて
します。
手のことに夢中になって
いるうちにいつのまにか
もやもやが晴れて心穏やかに
なっています。
区切りや見切りをつけるので
なく、すべてを飲み込みながら
もう一歩開いていきたいと
思います。 
      佐藤 初女 ”



コメント
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