あなたの記憶と
わたしの記憶が
砂のようにまじりあってくる
わたしたちは
まるで結合双生児のように
どこか深いところでつながっているようだ
あなたの見ている夢の中で
飛んでいる白い蝶々が
わたしのところにも
飛んで来る
あなたの見ている夢の中で
泳いでいる碧い魚が
わたしのところにも
泳いでくる
野原の花々は
咲くたびに微かな痛みを感じて
小さな声を上げる
それに耳を澄ましている
あなたの心が
わたしのところにも
流れて来る
痛かっただろう 本当は
もっと自分で生きていたかったろう
それを無理やりやめさせたのは
もうあなたが限界を超えすぎ
疲れ果てていたからだ
自分のやったことに言い訳はしない
後悔もしない
だがその結果起こったことは
あまりにも苦しかった
あなたの声が聞こえない世界は
太陽が半分になってしまったようだ
二度とは聞けないあなたの美しい言葉を
まるで母を恋う子供のように
心のどこかで恋うているわたしがいる
あの美しい人は
あなた以外には誰もいなかった
あの暖かい人は
あなた以外には誰もいなかった
夢の中で心を溶かしあいながら
少しずつ一つになって行く
あなたとわたしの間で
愛が灯火のように揺れている
愛している