種野も、前世ってほんとは信じてます。というのも去年の末ごろ、映画「ジャンヌ・ダルク」を見に行った時のこと、最後の火あぶりのシーンを見て、なぜか強いショックを受け、映画館を飛び出してしまったんです。特撮シーンのあまりのもの凄さに気分が悪くなったというよりは、忘れていたトラウマが突然よみがえったという感じで、帰りの列車の中でも涙が止まらずに困りました。
以前にも、紅蓮の炎を夢で見て、それが本当に焼けるように熱く感じ、あわてて目を覚ましたことがありました。現世では、火事にあったりしたことはありません。種野は、もしかしたら過去世で、炎で死んだことがあるのかも…。でもこんなのって、あまり思い出したくないなあ。
(2000年3月ちこり18号、通信欄)