小道を歩いていると、私の両手に、二羽の鳩が飛びこんできました。私は、困ったなあ、飼えないよと思い、まず右手の鳩を解き放ちました。鳩は気持ちよく空を飛んでいきました。しかし左手の鳩は、私の胸にほおを寄せて、決して飛んでいこうとしないのでした。
こんな夢を見てから数日後、突然私の元に二件の取材申し込みが飛びこんできました。一件はある有名全国紙から,もう一件は地元のローカル新聞からのものです。あんな印象的な夢を見た後なので、もしかしたら…と思っていたら案の定、全国紙からの話はボツになり、ローカル新聞の方はすぐに話が進み、とてもりっぱな記事にまとめて下さったのです。
夢占いでは、鳩はヴィーナスの使いで幸運の象徴。右手は物質的な世界を表し、左手は精神的な世界を表します。全国紙の話では、最初から少し企画的に無理があったのですが、滅多にない話なので、ちょっと欲を出してしまいました。でもローカル紙の方は、私の求める精神的は方向に従った、とてもよいお話でした。
夢の教訓は、欲を抱いて正しい方向を見失うなということだったのでしょうか。ともかくも、自分自身のこれから行くべき正しい方向はどれなのか、しっかりと見ていかねばならないと思いました。
(2001年7月ちこり22号、コラム)