このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
このエピソードの真偽については、私がNPO法人なごやかに入職する前のものなので判らないが、何人かの職員から畏怖の表情とともに聞かされていた。
勤続年数の長かった職員の披露宴になごやか理事長が招かれた時のこと、新婦側の受付の前に立った彼はモーニングの胸元からB5判はあろうかという特大サイズののし袋を引っ張り出し、あっけにとられている係を尻目に涼しい顔で記帳を終えた。
同行した事務長も脇にいて驚き、その意図を尋ねた。
「披露宴ともなれば、もう月並みな声掛けしかできないけれど、そんな状況で、心からの感謝の気持ちを伝えるすべはないものかと考えた末に、あののし袋に行き着いた。別にふざけているわけじゃないよ。相手もきっとわかってくれるだろう。」
ところが、この心入れにはさらに続きがあった。
披露宴のあとしばらくして、当の新婦がお礼にと理事長を訪ねた際、彼女は理事長のご祝儀と同額を入れたのし袋を差し出し、お世話になった法人への寄付を申し出たのだそう。
初めてこのエピソードを聞いた時、私は背中から首筋にかけて鳥肌が立った。
この二人の心入れとは、まるで剣豪同士が真剣で切り結ぶ勝負のようなものではないか。
先日、私は思い切って理事長に事の真偽を尋ねてみた。
「そうだったかなあ。」
理事長ははぐらかしたが、その目の中には負け試合の清々しさと喜びの色が、確かに浮かんでいた。