院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

テロの原因

2011-05-07 11:53:28 | Weblog
 中近東のイスラム圏の人々が、西欧を嫌悪するのは、アラビアのロレンスまで遡るだけでは足りない。

 12世紀から200年続いた十字軍まで遡らなくてはならないだろう。現代の歴史家の趨勢は、十字軍を、キリスト教徒によるイスラム教徒に対する侵略だった、と考えている。

 そのころ、まだアメリカは存在していなかった。いつからアメリカが中近東に関わるようになったのかは、素人の私は知らない。

 このたび、イギリスとフランスがリビアを攻めた。しかし、これは得策だろうか?アラブの西欧に対する嫌悪感を煽るだけにはならないだろうか?

 カダフィの支持者はまだ多いだろうと推察される。そこで、カダフィは悪人だと宣伝しても、実りは少ないだろう。私にはリビアの反政府勢力の動きがかえって怪訝である。西欧に爆撃を求めるなんて、意味が分からない。

 アメリカは10年前の9.11をテロと位置づけ、オサマ・ビンラディンに同じくテロを行った。戦争なら良くて、テロなら悪いという法はない。

 中近東のイスラム圏と西欧とアメリカのキリスト教圏は、話せば分かるという関係にないから、お互いに暴力に訴えているだけだ。最後は暴力が出る幕なのである。

 10年前、9.11の放送を私はライブでテレビで見ていた。久米宏さんがキャスターをやっている「ニュースステーション」で見た。丁度そのとき、久米さんは別用でテレビに出ていなかった。代わりにいつもはアシスタントの女性が一人で最後まで番組をしきっていた。

 私は深夜までそのライブを茶の間で見ていた。夜更かしをして、翌日病院に出勤したら、医者たちが皆眠そうだった。テロすなわち戦争を茶の間でライブで見られるとは、かつて筒井康隆氏が予言していたと思う。

 日本国民はかねてより平和ボケである。いつまで平和ボケでいられるか?少なくともリビアがどうなるか、カダフィ悪人説に立たずに状況を見守りたい。