(よしの屋のもりそば)。
東京の盛り蕎麦は、ツユをたっぷりつけてはいけないことになっている。ツユは少しだけつけて、蕎麦ののどごしを楽しむのだという。
それがイキなので、たっぷりツユをつけるのはヤボなのだという。ホントかいな。
蕎麦は好きなだけツユをつければよい。やせ我慢の江戸川柳にも「一度でいいからツユをたっぷりつけて食べたい」という意味の句があるではないか。
ツユは好きなだけつけてよいのだ。なにも気取ることはない。
元来、東京のツユはからい。だから、全部つけては、からすぎるのだ。一部だけツユをつけて、ツユのついていないところと同時に食べるのがおいしい。のどごしもへったくれもない。