(大躍進を受けて演説するフランスのマリーヌ・ルペン国民戦線党首。MSN産経ニュースより引用。)
30数年前、西ドイツで行われた学会で発表するため、生まれて初めて海外旅行をした。当時は東西冷戦下でドイツはまだ東西に分割されていた。学会が終わったあと1か月ほどヨーロッパを回った。
ドイツでは街が美しいので驚いた。街並みが保存されているだけではなく、道路にチリひとつないのだ。訊くと、移民が夜中に道路を掃除しておいて、昼間にドイツ人が歩くのだという。汚れ仕事を移民に押し付けているわけかと思った。
言われてみれば、泊まったフランクフルトのホテルのフロントも、夕方の5時きっかりにドイツ人からイタリア人に変わった。本国人は夜間労働をしないのだ。
パリでは鉄道の改札係が、これも午後5時きっかりに黒人に変わった。そんなことを日本でやったら、大問題になるだろうと思った。
移民一世は食いつめて国境を超えたのだから3K仕事にも我慢できようが、二世三世となったら我慢はしないだろうと思っていたら、やがてそのとおりになった。
結果、本国人と移民との間に軋轢が生じ、本国人が移民排斥運動を起こすようになった。ドイツのメルケル首相も「多文化共生政策」という美名の移民促進政策を撤回せざるをえなくなった。
そうした下地の上での、このたびのヨーロッパでの極右政党の躍進だ。ヨーロッパは民主主義国家ばかりだから選挙で極右を選んだのは国民である。極右政党の移民排斥運動を国民が支持したのだ。わが国が移民をかたくなに拒んでいるのは、将来こうなることが目に見えているからだろう。日本は賢い選択をしている。