(有名な交通標語の石碑。TBSニュースバードより引用。)
20年前、俳句を始めたばかりの友人が次のような俳句を詠みました。
盆踊りジーンズ姿で踊りけり 直子
この俳句はある俳句結社の主宰に次のように添削されました。
盆踊りジーンズなれど踊りけり
添削後の俳句のほうが締まっていることがお分かりになるでしょう?意味は大きく変わったわけではありませんが、中の句が8文字だったのが7文字になっています。
俳句の世界では中の句が8文字なのを「中八」と呼んで嫌います。(上の句はかなり字余りでも許されます。)
そこで標語の世界に目をうつすと、「中八」がきわめて多いのです。
狭い日本そんなに急いでどこへ行く (交通)
ポイ捨ては環境破壊の第一歩 (環境)
広めよう違いを認めるそのきもち (人権)
以上は「中八」の例をわざと拾ったものですが、確率的に見ても、俳句や川柳に比べると標語には「中八」が多いのは争えない事実です。それさえ注意すれば、もっと説得力のある標語になると思うのですが・・。
(ところで冒頭の友人は、現在では私よりよほど俳句が上手になっています。)
※今日、気にとまった短歌
「おふくろは甘い」と面を打ち来る子小手に小さく隙を見せつつ (岡崎市)白井百合子