アンヂェラスでソーダ水を飲むという夏日の晴天の思いつきは浅草コーヒーへの義理で消えた。浅草は「喫茶店」が多い。行きつけの常連がたむろしプレスされた重いガラス器の器に冷たいものが盛られ、どことなく薄暗い照明のもとで時が緩やかに勝手に流れてゆく。音楽は体に合わせた服の様に、店に合った音ならば何でも構わない。ラジオを流そうがテレビの相撲中継を流そうが、客がことばから離れていられるほどの距離のある音が丁度良い。「カフェ」が苦手なのは店の趣味が客に押し寄せてくることで、ソーダ水などという飲み物はなくコーヒーを少しずつ楽しもうにも、常連との生温いつながりの圧力で店を追い出されるように出たことも少なくは無い。その辺り、喫茶店は容赦がなく店構えから既に入るか入らないかの圧力をかけているので選びやすい。怖気づいた店構えにえいと飛び込んでみると案外よかった……ということも無くはないが、門戸に違和感を覚えたら早めに去るのが「喫茶店」とのお付き合いの手際ではなかろうか。
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