えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

本を買いに

2017年05月27日 | コラム
 どうしても本を買わなければならない時だった。先延ばしにしてもいずれ買わなければならない。買う本は何でもよいのだ。それでも買うとなると、少しでも「よい」ものを選びたいというわがままが働く。そうして本屋をはしごした。大型の書店の棚が手っ取り早い。流行りの本の他にも、表看板に加えられるひとひねりの本が案外良かったりする。けれども今日はそんな都合の良い本はなかった。又吉直樹の最新刊を並べ、脇を本屋大賞候補で固め、『セガVS任天堂』を挿し色に添えたところで見る気を失い外に出る。ビル一つ丸ごと本屋なので上の階に行けば新しい本はまだある。知らない本もあるだろう。ただ文句の並ぶ背表紙を見比べるだけで目眩がするようだった。

 仕方ないのでいくつか買ったものの落ち着かない。『セガVS任天堂』の上下巻を買いそろえて近くの喫茶店でページを捲るも落ち着かない。冒頭からもう肌に合いませんよと買った化粧品が肌を刺すときの刺激を覚えて本を閉じた。二十年以上前のセガのビルに入った辺りで、まだ一章すら終わっていなかった。当面寝かせておくことにして次の本を手に取る。薄い詩集が三冊、私はページを繰る手が震えていたのでもうそれ以上本に触ることはやめた。本に何も罪はないのだが、ときどきこういうこともある。本が欲しい。何の本かはわからないが本が必要だった。

 街をふらつきながら最後に百円の古本を二冊買った。ほどよく黄色がかりやわらかくなった岩波文庫のページを淡々と読んだ。電車を降りてその日を終えるころには『本朝二十不孝』を読み終え、何とはなしに晴れた気分で寝床に着いた。注はほぼすっ飛ばしたがもういい、私は読んだんだ。とにかく本を買って読んだ。それだけの日だった。
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限界パソコン

2017年05月13日 | コラム
これで何度再起動のボタンを押したかわからない。またパソコンから音が出なくなった。
Windowsの注意に屈してOSを切り替えたことが運の尽きだったかもしれないが、
ともかくそろそろ10年選手を迎えようとするパソコンはその時を境にブラウザで音楽を見ながらワードに物を叩きこむといった
基本的な作業もできないほど弱っていた。弱っていたという言い方が正しいのかはわからない。
今も特段負担を強いる作業をしているわけでは(使用者の目線から見える範囲では)ないにもかかわらず、
しきりに排熱のファンの動く音がする。

再起動のボタンを押しすぎかもしれないとシャットダウンのボタンに手を伸ばすとそれはそれで弊害が生じる。
パソコンを開きたくなくなるので結局パソコンを開かないのと同様の状況は変わらない、というそれだけの話で、
なら他にパソコンの代替を買えだのパソコンを買い替えろだのといった話は今現在の面倒と天秤にかけると
今現在の面倒のほうがまだましなように過去の記憶を掘り起こした結論へ思い至るので現状維持だ。


ファンから音が高くなるが、膝にのせて排熱の高熱を悪くするせいか、あるいはバックグラウンドで私の知りえない
プログラムが何かやらかしているのかはブラックボックスに放り込まれている。
パソコンのトラブルの大方の解決方法は突き詰めると「祈る」になるのかもしれぬと全く解決にならない検索結果を
途方に暮れながら眺めた。また音が止まったがフリーズするのも恐ろしいのでおっかなびっくりこれを打ち込んでいる。
ワードをはじめとしたOffice系列は最近セーフモードでしかまともに起動したところを見ておらず、
古くからの馴染みのプリンタも時々存在を認識しないレベルまで残念になってきている始末だ。

パソコンで10年選手はかなりどうしようもない部類に入るとわかっているものの、頼むからもう少し頑張ってほしい。
壊れなければそれでいいといった心境になりつつある。
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