*作品のネタバレが記載されています。未プレイの方はご注意ください。
『九日~Nine Sols~』をひと月かけて真エンディングまでクリアしたと書くとこのゲームの難易度が相当のものに見えてくるかもしれないが、それは単に私が毎日ゲームする時間が無いだけでゆっくりと進めたためである。ゲームの作りはアクションゲーム初心者でも順応できるよう丁寧に作られている。赤燭遊戯のヒット作であり処女作『返校』は2Dホラーアドベンチャーであり、複雑な操作を組み込まない代わりに演出や物語を徹底するという作りであるため、継続したファンにアクションゲームの経験が少ないことを考慮して『九日~Nine Sols~』には気配りが行き届いている。
たとえば複雑な操作がどうしても必要となる戦闘では、大半の状況で敵とは一対一で戦うことができる。ラスボスを含めた全ての敵には攻撃の前の予備行動が(時間はどんなに短くとも)存在するため、予備行動を見て次に自分が取るべき行動を選択することが出来る。もちろんゲームが進むにつれて敵の行動と行動の間隔は短くなり、素早い判断と操作が求められるが、どんな敵でも行動パターンが定められているのでゲームの肝である「弾き」を決めやすい。「弾き」とは敵の攻撃に遭わせてタイミング良く防御ボタンを押すことで、ダメージを受けずに防御することが出来る操作だ。この操作を軸にして主人公羿を動かしていくことが本作の基本的な操作である。ボスなど行動パターンが複雑だったり素早い敵は何度も死亡しながら覚えることになるものの。
他にも地味にありがたい点が全てのマップの全ての部屋に後から戻れることだ。もちろん一回で探索を完了してしまうに越したことはないが、集団の敵を対処しきれずあきらめた場所や、クリアを重視して先に進んでしまった場合でも、再度探索することができる。ありがちな「一度しか行けない場所のわかりづらい場所にアイテムを隠す」といったことはなく、一度しか行けない場所には一切アイテムが無いという徹底ぶりだ。一度行ったチェックポイントへ自由に移動できるツールも中盤で手に入り、なおかつこれを手に入れるタイミングでほとんどの技能が揃うので、これを手に入れてから探索し直してもよいし、限られたスキルで進めるだけ挑戦しても良い。探索すると手に入る宝を持ち帰ろうとした道中で予想だにしない強敵に出くわしてパアになるのはご愛敬だ。それも探索の楽しみである、というには少々辛いかもしれないが。
話が面白い。元ネタを崩さない神話の使い方が嬉しい。たとえば農園エリアを管轄する勾芒(こうぼう)というキャラクターの名前の元ネタが春の女神であったり、毒を渡すことで体力の最大値を上げてくれる神農は神話でも薬効や食用を見分けるために毒のある植物を食べている。あとから調べても面白く、元々知っていればにやりとさせられる。そして主人公の羿は太陽を射貫くのだ。
彼が太陽を射貫くのを見るためにはそこそこ複雑な条件を満たす必要があるが、探索を徹底して一見おまけのような要素も攻略していくタイプのプレイヤーならばあっさりと辿り着き、そしてやたら強いラスボスが中々クリアせずに悶絶するだろう。とはいえこれまでの敵と同様に行動パターンへ慣れてしまえば十分突破はできるので、焦らず気長に攻略すれば応えてくれるというゲームである。
『九日~Nine Sols~』をひと月かけて真エンディングまでクリアしたと書くとこのゲームの難易度が相当のものに見えてくるかもしれないが、それは単に私が毎日ゲームする時間が無いだけでゆっくりと進めたためである。ゲームの作りはアクションゲーム初心者でも順応できるよう丁寧に作られている。赤燭遊戯のヒット作であり処女作『返校』は2Dホラーアドベンチャーであり、複雑な操作を組み込まない代わりに演出や物語を徹底するという作りであるため、継続したファンにアクションゲームの経験が少ないことを考慮して『九日~Nine Sols~』には気配りが行き届いている。
たとえば複雑な操作がどうしても必要となる戦闘では、大半の状況で敵とは一対一で戦うことができる。ラスボスを含めた全ての敵には攻撃の前の予備行動が(時間はどんなに短くとも)存在するため、予備行動を見て次に自分が取るべき行動を選択することが出来る。もちろんゲームが進むにつれて敵の行動と行動の間隔は短くなり、素早い判断と操作が求められるが、どんな敵でも行動パターンが定められているのでゲームの肝である「弾き」を決めやすい。「弾き」とは敵の攻撃に遭わせてタイミング良く防御ボタンを押すことで、ダメージを受けずに防御することが出来る操作だ。この操作を軸にして主人公羿を動かしていくことが本作の基本的な操作である。ボスなど行動パターンが複雑だったり素早い敵は何度も死亡しながら覚えることになるものの。
他にも地味にありがたい点が全てのマップの全ての部屋に後から戻れることだ。もちろん一回で探索を完了してしまうに越したことはないが、集団の敵を対処しきれずあきらめた場所や、クリアを重視して先に進んでしまった場合でも、再度探索することができる。ありがちな「一度しか行けない場所のわかりづらい場所にアイテムを隠す」といったことはなく、一度しか行けない場所には一切アイテムが無いという徹底ぶりだ。一度行ったチェックポイントへ自由に移動できるツールも中盤で手に入り、なおかつこれを手に入れるタイミングでほとんどの技能が揃うので、これを手に入れてから探索し直してもよいし、限られたスキルで進めるだけ挑戦しても良い。探索すると手に入る宝を持ち帰ろうとした道中で予想だにしない強敵に出くわしてパアになるのはご愛敬だ。それも探索の楽しみである、というには少々辛いかもしれないが。
話が面白い。元ネタを崩さない神話の使い方が嬉しい。たとえば農園エリアを管轄する勾芒(こうぼう)というキャラクターの名前の元ネタが春の女神であったり、毒を渡すことで体力の最大値を上げてくれる神農は神話でも薬効や食用を見分けるために毒のある植物を食べている。あとから調べても面白く、元々知っていればにやりとさせられる。そして主人公の羿は太陽を射貫くのだ。
彼が太陽を射貫くのを見るためにはそこそこ複雑な条件を満たす必要があるが、探索を徹底して一見おまけのような要素も攻略していくタイプのプレイヤーならばあっさりと辿り着き、そしてやたら強いラスボスが中々クリアせずに悶絶するだろう。とはいえこれまでの敵と同様に行動パターンへ慣れてしまえば十分突破はできるので、焦らず気長に攻略すれば応えてくれるというゲームである。