「珍しいですね、甘いものですか」「ええ気になっておりまして」「メロン、おいしいですからね。いちおしです」「昨日クリームが売り切れたと聞いたので、味が気になりまして」「昨日ですか」「そうです。昨日はメロンクリームが完売になったので、普通のクリームを代わりに載せると注意されているのを聞いて。ならメロンクリームの味を試すならと朝一番でt来ました」「いや熱心ですねえ」「気になったので」「ではメロンオブメロンフラペチーノで。他に甘いものはいかがですか」「流石に結構です」「はあい」
後ろに人が並んでいなかったので顔馴染みのスターバックスの店員と少しだけレジ越しに話した。昨日硬い椅子に腰を据えてぼんやりしていると、その店員が並ぶ列に向かって何度も繰り返し「ホイップクリームを」と繰り返したので耳をそばだてた。今年の夏限定メニューのメロンオンメロンフラペチーノの目玉、傍の壁に貼られているポスターの中心を飾る緑色のクリームが売り切れてしまったので、代わりに白いクリームを乗せるのだと店員は注意していた。並んでいる人たちは顔を見合わせたりスマホをいじり続けたりしながら大人しく列が動くのを待っていた。そのうち白いクリームをメロン色のかき氷の上に載せた飲み物を持って私の席の前を人が通り過ぎていく。店員はその間もこまねずみのように働きながら列に向かってメロンクリームの売り切れを伝えていた。入り口の黒板にでも書いておけば良いのではと店を出ながら思ったが、そんな暇もなさそうだった。
柿色のメロン果肉を混ぜた薄緑色のかき氷の上に抹茶よりも薄い緑色のクリームが乗っている。これで700円近くするので制服姿の学生のお嬢さんたちにはそこそこ痛い出費ではなかろうかと余計なことを考得させられる飲み物だ。プラスチック削減の動きに合わせてスターバックスではボール紙のストローを提供しているが、この飲み物は溶ける時間が長いので毛細管現象によりじわじわと湿りストロー本体が徐々に柔らかくなる。飲みやすさは考えずにクリームの真ん中へストローを挿してかき回した。看板通りのメロン風味の涼やかさと荒く挽かれた氷の粒が喉を通って心地が良かった。そのまままたお神輿を据えて椅子に座っていると、「メロンクリーム売り切れました」と先程の店員が声をすり減らして駆け回っていた。
後ろに人が並んでいなかったので顔馴染みのスターバックスの店員と少しだけレジ越しに話した。昨日硬い椅子に腰を据えてぼんやりしていると、その店員が並ぶ列に向かって何度も繰り返し「ホイップクリームを」と繰り返したので耳をそばだてた。今年の夏限定メニューのメロンオンメロンフラペチーノの目玉、傍の壁に貼られているポスターの中心を飾る緑色のクリームが売り切れてしまったので、代わりに白いクリームを乗せるのだと店員は注意していた。並んでいる人たちは顔を見合わせたりスマホをいじり続けたりしながら大人しく列が動くのを待っていた。そのうち白いクリームをメロン色のかき氷の上に載せた飲み物を持って私の席の前を人が通り過ぎていく。店員はその間もこまねずみのように働きながら列に向かってメロンクリームの売り切れを伝えていた。入り口の黒板にでも書いておけば良いのではと店を出ながら思ったが、そんな暇もなさそうだった。
柿色のメロン果肉を混ぜた薄緑色のかき氷の上に抹茶よりも薄い緑色のクリームが乗っている。これで700円近くするので制服姿の学生のお嬢さんたちにはそこそこ痛い出費ではなかろうかと余計なことを考得させられる飲み物だ。プラスチック削減の動きに合わせてスターバックスではボール紙のストローを提供しているが、この飲み物は溶ける時間が長いので毛細管現象によりじわじわと湿りストロー本体が徐々に柔らかくなる。飲みやすさは考えずにクリームの真ん中へストローを挿してかき回した。看板通りのメロン風味の涼やかさと荒く挽かれた氷の粒が喉を通って心地が良かった。そのまままたお神輿を据えて椅子に座っていると、「メロンクリーム売り切れました」と先程の店員が声をすり減らして駆け回っていた。