音楽教室によって、発表会の内容、意向はさまざま。
教室に通われている皆さんに、教室の考え方を少しでもご理解いただけるように
作成したものです。
教室でも、冊子にして置いてありますので、ご覧下さい。
音楽にご縁のある皆様に、日常とは異なる体験をしていただきたく、
また、それが必ず音楽にかかわる皆様にプラスになることと、
願い、信じつつ、なるせ音楽教室では、
特別な事情がない限り、全員の参加を目標としています。
発表会のしおり
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
はじめての「発表会」どんな目的でどのようにするのかな?
音楽教室の発表会の概要をお知らせします
はじめに ♪♪
音楽教室に通うと、日々のレッスンの他に必ずあるのが発表会。
様々な物や情報が溢れて、何かと心迷うことが多いですが、
お金では買えない経験をして、良い思い出を作るのが発表会の
ひとつのあり方だと思います。
初めて発表会を経験される方はもちろん、何度も経験のある方にも改めて
考えていただけるように、以前に発行していました冊子を改訂しました。
レッスンに通われている、生徒のみなさん、そしてご家族の皆様の温かいご理解と
ご協力があればこその発表会です。
和やかに、たのしく発表会の日が迎えられますように、
皆様のご参考になれば幸いです。
【心がまえ編】
♪どうして発表会をするのでしょうか
学校には学期、学年という区切りがあり、どのように勉強したか通知表があります。
それによって反省したり、次に向けての意欲を燃やし、親も先生も子どもを励ます絶好の機会になります。通知表は子ども成長記録です。
また学校には運動会や音楽会、遠足など、子どもが一緒になって教室内では体験できない事をする行事があります。時には大変なときもありますが、また楽しい思い出として残ることでしょう。もし仮にこれらの区切りや行事が全くなかったら、子どもたちは何年も、毎日同じ教室でメリハリのない状態で勉強を続けることになるでしょう。そのような状態を想像すると、これらの区切りや行事が大切な意義を持っていることお分かりいただけると思います。
発表会の意義も同様です。発表会は学校の学年や学期に相当する、レッスンの区切りであって、それぞれが習ってきたことを発表する機会です。それは同時に子ども自身もそれまでの練習について振り返る機会になりますし、先生は指導について、親も家庭における練習について振り返り反省する機会になります。
発表会は学校の行事と同じように、日常では習えないものが習える、時間と場所を変えたレッスンの一日になることでしょう。特にレッスンは個人単位ですから、他の人の演奏に触れることはとても良い刺激になります。クラス単位で学び、行事が多い学校より、音楽教室の発表会は意義の大きい機会だと思います。
♪発表会は成長記録
発表会は演奏技術や音楽性を競うものではありません。ましてやコンクールでもありませんので演奏結果が子どもたちの将来をどうこうするものではありません。
習い始めてまだ間もなく、手も小さくて充分練習できなかったとか、家庭の事情で充分出来なかったとか、諸々の事を認めた上で参加していただくものです。子どもたちをステージ上の演奏で比べるものでありません。一人ひとりがどれだけ頑張って練習し、前回の発表会からどれくらい成長したかをご家族で確認していただくものです。
1ヶ月や2ヶ月では分かりにくい成長も発表会を機に1年ごとに見ていただくとよく分かることでしょう。
♪初めて参加されるちいさなお友達へ
学校とちがってレッスンを始めた時期は様々です。始めた時期にかかわらず誰でも参加できます。
小さいうちからいろんな経験をして、何にでも一生懸命に取り組むことは、これからの自信につながります。
教室の指導におきましても、最後には楽しさと充実感が心に残ることを願って、無理のないよう、またちいさな心に負担をかけないよう配慮し、ご心配な点は保護者と相談しながら進めていきますのでご安心下さい。
何度も参加されているみなさんは、かつて初ステージの時がありました。
会場のお客様はそれを充分承知した上での温かいまなざしに満ちた発表会です。
♪音楽は楽しむもの はじめの一歩をふみだそう
発表会は何回経験しても緊張するものですが、何回も発表会を経験すると次第に基礎力がついてきて、地道な練習の多い普段のレッスンの曲より、好みにあった楽しい曲を選び、自分自身の楽しみのために、また自己表現の一つの方法として発表会を楽しむようになってきます。小さい頃は、先生やお母さんの言われるままに参加していることが多いですが、大きくなるとあんなことをしたい、こんな曲がしたいといろいろと思いを巡らせているようです。 またそれに応えられるよう、発表会も毎回進歩できますよう努めています。
一生懸命練習して上手になれば、誰かに聞いてもらいたいものです。来客があると
ほめてもらいたくてピアノを弾き出すちいさな子がいます。そんな気持ちを大切にして練習ができたらと思います。
発表会での演奏は、まずは自己満足であってもいいでしょう。音楽は個人の楽しみでありながらも、聴く大勢の人を感動させ、楽しませる素晴らしい力を持っています。
数分のステージのために、一生懸命練習することが何事にも自信を持つための
はじめの一歩になればとても嬉しいです。
どうぞ、初めて参加される方は自分のための音楽の楽しみの第一歩をふみだしてください。
♪選曲と練習 ちいさなお友達へ
普段使用している教本から選曲すると、みなさんが同じような曲になる場合もありますので、知っている曲や、興味が持てそうな曲を選ぶことがあります。
そうなりますと、今習っている曲と音域がちがったり、まだ習ったことのないリズムや指使いが出てくることがよくあります。そのような時は余裕をみて練習をすすめます。レッスン時も大事ですが、ご家庭での練習も配慮してくださいますようお願い致します。これは発表会だけでなく普段の練習にも通じることです。
特にちいさな子には、飽きないように練習して最高のピークが発表会直前か当日に来るように、練習日程を短めにすることもありますので、ご理解、ご協力をよろしくお願い致します。
♪演奏を聞くマナー しずかに聞きましょう
他の人の演奏からも学ぶことも多いです。演奏を静かに聞くのも、演奏するのと同じくらい大事なことです。
会場のお客様のほとんどは出演者とその家族、友人です。身内の演奏を見守る気持ちは誰も同じです。最後までどの出演者にも温かい拍手をお願いします。そして演奏を聞くマナーを、このような発表会で、ご家族のみなさまで少しずつ指導くださいますようお願いします。
☆ 私語はつつしむ
☆ 演奏中は席を立たない。出入りをしない。演奏と演奏の間に出入りをしてください。
☆ 会場内での飲食をしない。
☆ ちいさな子どもさんが退屈をしたら、ロビーにて気分を変えてあげてください。
会場内で走り回ることがないように。
☆ 携帯はマナーモードか電源OFFに。
♪アガリやすいのです その緊張感がいいのです
人前での演奏は何度経験しても緊張します。もうドキドキして心臓が飛び出すかと思われる人や、手足が左右一緒に出そうな人もいます。
あがりやすい、引っ込み思案、恥かしがりやさんにとっては気の重い発表会になるかもしれません。でも誰でも緊張してあがります。ただそのような中でしっかり演奏するには、普段の練習の取り組み方が大事。
選曲の段階からプレッシャーがかからないよう説明して自信が持てるように考えます。やりがいのある、すこし背伸びをした選曲をすることが多いのですが、初めての方には、余裕をもって仕上げられるような曲を選ぶようにしています。
普段のレッスンでも良いところをたくさんほめて自信が持てるようにします。
しかし、一番のあがり症に効く薬はご家族の励ましだと思います。
「まちがえずに演奏しましょう」よりも「まちがえてもいいから、のびのびと自分らしさがだせるように」と声かけをしていただきたいです。
緊張感が集中力を高め、そして日々の練習が一番大切だということを、出演者自身が感じていただけることを願っています。
【実践編】
♪上手に演奏する心得
上手に演奏するには練習しかありません。近道はないのです。
あたりまえの事なのですが、忘れていることが多いのであえて苦言します。
メンタルトレーニングで気持ちを変えることによって上手く出来ますが、
やはり練習の裏づけがあってこそなのです。
♪途中でまちがえたら
練習ができていなくて間違えるのは困りますが、練習をしていても間違えることは
誰にでもあります。間違えても音楽性のある演奏が出来ることもあります。
でも間違ったらあせりますね。
まちがえてしまったら
最初の方ならはじめからやり直し、途中からだったら区切りのいい演奏しやすいところからやり直してください。途中から演奏し直すのは普段の練習が大切。
いつもはじめから練習していませんか。長い曲であれば構成を考えて、区切りのいいところから練習して下さい。暗譜をしていても、感覚だけでおぼえると楽譜のどこを演奏しているか忘れてしまうこともあります。
普段から良く楽譜をみて考えながら演奏する習慣をつけましょう。
まちがえても、くよくよ気にせずその後の演奏がしっかりできるように、気持ちをすぐに切り替えましょう。
♪ステージマナー
発表会では大勢の方が聞いています。ほとんどが演奏者の身内、お友達ですが甘
えることなくきちんとステージマナーを身につけられるようになりましょう。
☆ 演奏の前と後のお辞儀はていねいに
演奏の前「一生懸命演奏しますので どうぞ聞いてください」
演奏の後「聞いてくださいましてありがとうございます」
そのような感謝の気持ちで落ち着いてお辞儀をして下さい。
☆ 演奏をはじめる前に
あわててすぐに始めなくてもいいです。
深呼吸して、ピアノなら椅子の位置を直したり手の位置を確かめたり。
管楽器ではチューニングも大事です。ドラムでは椅子の位置等も確かめてくださいね。
【お願い編】
♪ご家族、お友達の皆様へお願い
出演者への、ステージ上でのお花のプレゼントはお避け下さい。
華やかで、また出演者の励みになってお気持ちはとても嬉しいのですが、進行の妨げ
になります。また全員にそのようなお花がありませんので「私にはないのかな・・と
と理解できなくて悲しむちいさな子どもさんもいますので、お察しいただきまして、
お花等のプレゼントは、演奏の前後に会場、ロビーにてお願い致します。
♪発表会の装いは?
初めて出演される方は悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
教室では華美になるときりがありませんので、用意される保護者様が負担に感じない
程度、もしくは普段のお出かけ用の装いを目安にしています。
ただ、素敵なお気に入りの装いだと嬉しくて頑張れる子もいますし、楽しみしていらっしゃる保護者、祖父母様もおられることでしょう。
誰と比べることなく、演奏と同じで自己表現の場ととらえていただければ幸いです。 親が用意した服を着てくれるのは小さいうちです。教室では高学年以上になりますとそれぞれの好みで、カジュアルなおしゃれを楽しんでいるようです。
靴ですが、夏場はサンダルも多いです。必ず踵にバンドのあるタイプをお願いします。ミュールですと踵と靴底が離れてステージで耳障りな音がしますし、
転びやすいので避けて下さい。
あとがき♪♪
発表会は、出演者とご家族の思い、そして先生の思いが調和してこそ開催できるものです。教室では通われている皆さまの音楽を楽しむお手伝いと、音楽を発表するお手伝いをさせていただきます。
発表会に関する詳しいことは、日々のレッスンでもお知らせしています。また何か分からないことがありましたら、ご遠慮なくお尋ね下さい。
最後に、音楽が生涯の友達となることを願ってやみません。
Produce Piacere なるせ音楽教室
Produceは 創造 演出 Piacereは 楽しみ、喜び(イタリア語)
2008.4月作成