(1)民主党政権が09年マニフェストの自らの手による崩壊をどう見たのか、民主党が次期衆院選対策のあらたなマニフェスト(政権公約)の素案(draft)をまとめて発表した。
「改革続行宣言」と銘打っているのがパラドックス(paradox)として何ともむなしいだけのこれまでの言行不一致政策を性懲(しょうこ)りもなく際立たせる厚顔さに映る。
①まず、「少子高令化などの課題解決の道筋を示す『フロンティア国家』を目指す」とあるが、まだ素案とはいえまったくわからない国家論だ。
世界に先駆けて初めて少子高令化社会を現実のものとして受け入れる日本社会の置かれた立場のフロンティア性だけを強調したもので、少なくとも国家観、国家論ではない。
国家観というものは、国際紛争を解決するための手段としての戦力を持たず、信頼と信義則の国際社会において名誉ある地位を占める、平和と発展、協力、協調にリーダーシップをとることだ。
②「経済成長と財政健全化の両立」とうたっているが、09年マニフェストの崩壊の誘因となった政策推進の財源保障についてどう具体的に道筋を示すのかが肝要だ。
前回に比較して具体性、数値目標をあえて控えて「後ろ向き」の自己防衛志向にシフトしている姿勢からは、前回(09年)の反省が「前向き」に向かわずに革新的改革エネルギーの乏しいネガティブキャンペーン(negative campaign)となっている。
③09年マニフェストには少なくとも事業仕分け、政治主導、公共事業の見直しなど政治理念、理論としては「前向き」改革志向は打ち出していた。
④「児童手当(子ども手当の従前回帰改称)の5割増」目標も、現行給付制度の分析、検証結果を踏まえたより効果的な政策にすべきで、分析、検証比較検討のないのがこれまでの一貫した政治の欠かんだ。前回が前回結果だけに、これでは国民の信頼、理解、支持をつかむことはできない。
⑤「税と社会保障の一体改革」、「エネルギー革命」、「地域主権改革」と目あたらしさに欠けて、与党、内閣支持率の低迷、前回マニフェストの崩壊を受けて政権立て直しのマニフェストとはいえない意欲、決意、準備の見えない随分と「後ろ向き」の公約素案だ。
まずは09年マニフェスト崩壊の分析、検証からの反省に立った、政策(実行)裏付けのある理念、理論付け、情報開示が必要だ。
(2)大阪維新の会は「船中八策」で政権公約(党綱領 party platform)を発表したが、代表の橋下大阪市長はこれに「数値目標や工程表は行政がつくるもので、政治は方向性を示すことに限定すべきだ」と発言している。
政治手法は旧態然とした官僚主導政治スタイルだ。自民党保守系議員との連携も噂されている。
そうしておいて、政策ごとに行政機関との対立、対決構図を通して人気、支持を高めるのがこれまでの橋下政治スタイルだ。
行政裁量、執行権すべてに責任を持つのが民主主義政治だ。そういう点では政治主導論は間違っていない。
長い官僚主導政治と政権交代の高揚感の中で意味もなく対立、対決した結果の行政停滞だった。
政治主導とは、政治と行政の一体改革論なのだ。政治改革、行政改革に必要な理論だ。見るべき政権公約は見えてこないが、政治の未来の審判をするのは国民だ。
「改革続行宣言」と銘打っているのがパラドックス(paradox)として何ともむなしいだけのこれまでの言行不一致政策を性懲(しょうこ)りもなく際立たせる厚顔さに映る。
①まず、「少子高令化などの課題解決の道筋を示す『フロンティア国家』を目指す」とあるが、まだ素案とはいえまったくわからない国家論だ。
世界に先駆けて初めて少子高令化社会を現実のものとして受け入れる日本社会の置かれた立場のフロンティア性だけを強調したもので、少なくとも国家観、国家論ではない。
国家観というものは、国際紛争を解決するための手段としての戦力を持たず、信頼と信義則の国際社会において名誉ある地位を占める、平和と発展、協力、協調にリーダーシップをとることだ。
②「経済成長と財政健全化の両立」とうたっているが、09年マニフェストの崩壊の誘因となった政策推進の財源保障についてどう具体的に道筋を示すのかが肝要だ。
前回に比較して具体性、数値目標をあえて控えて「後ろ向き」の自己防衛志向にシフトしている姿勢からは、前回(09年)の反省が「前向き」に向かわずに革新的改革エネルギーの乏しいネガティブキャンペーン(negative campaign)となっている。
③09年マニフェストには少なくとも事業仕分け、政治主導、公共事業の見直しなど政治理念、理論としては「前向き」改革志向は打ち出していた。
④「児童手当(子ども手当の従前回帰改称)の5割増」目標も、現行給付制度の分析、検証結果を踏まえたより効果的な政策にすべきで、分析、検証比較検討のないのがこれまでの一貫した政治の欠かんだ。前回が前回結果だけに、これでは国民の信頼、理解、支持をつかむことはできない。
⑤「税と社会保障の一体改革」、「エネルギー革命」、「地域主権改革」と目あたらしさに欠けて、与党、内閣支持率の低迷、前回マニフェストの崩壊を受けて政権立て直しのマニフェストとはいえない意欲、決意、準備の見えない随分と「後ろ向き」の公約素案だ。
まずは09年マニフェスト崩壊の分析、検証からの反省に立った、政策(実行)裏付けのある理念、理論付け、情報開示が必要だ。
(2)大阪維新の会は「船中八策」で政権公約(党綱領 party platform)を発表したが、代表の橋下大阪市長はこれに「数値目標や工程表は行政がつくるもので、政治は方向性を示すことに限定すべきだ」と発言している。
政治手法は旧態然とした官僚主導政治スタイルだ。自民党保守系議員との連携も噂されている。
そうしておいて、政策ごとに行政機関との対立、対決構図を通して人気、支持を高めるのがこれまでの橋下政治スタイルだ。
行政裁量、執行権すべてに責任を持つのが民主主義政治だ。そういう点では政治主導論は間違っていない。
長い官僚主導政治と政権交代の高揚感の中で意味もなく対立、対決した結果の行政停滞だった。
政治主導とは、政治と行政の一体改革論なのだ。政治改革、行政改革に必要な理論だ。見るべき政権公約は見えてこないが、政治の未来の審判をするのは国民だ。