いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

パラドックスネット社会。 paradoxical internet society

2018-12-07 20:04:45 | 日記
 (1)世界の主要企業の研究開発ランキングの比較表をみていると、2011年にトップだったトヨタ(775400万ユーロ)が2016年には13位(同750000万ユーロ)に後退している。
 トヨタの研究開発費の推移はそう変わっていないが、2016年トップのフォルクスワーゲン(1367200万ユーロ)ほか上位外国企業は破格の高額研究開発費を計上している。

 フォルクスワーゲンは排ガス規制数値のデータ不正発覚までは販売台数世界一位にあり、世界のトップ企業は新時代を見据えた事業の研究開発に力を入れていることを示すものだ。

 (2)電気自動車開発で遅れをとるトヨタは国内自動車企業、関連産業との連携、提携を積極的に進めて巻き返しをはかっており、自動運転車の開発で自動安全制御装置を従来車にも後付け装着できる開発成果を発表した。

 欧州市場などの2040年ガソリン車の製造販売中止発表を受けて、自動車産業も変革、戦略の見直しに迫られている。

 (3)かって民主党政権時代の事業仕分けで大型汎用コンピュータ開発で世界の競争力激化の中で、「1位でなければいけないですか。2位ではいけないですか」(趣旨)発言があって、研究開発費削減が話題となったが、今や企業の研究開発費で世界主要企業に大きく遅れをとる日本企業群だ。

 日本の自動車産業は無資格者による完成車不正検査、排ガスデータの改ざん、ブレーキ不正検査などが次々と発覚して、技術力、開発力で先進性技能、能力の高さを誇ってきた日本企業の信頼、信用を失墜する事態は、世界的な販売競争時代の中でガソリン車2040年問題を抱えて自動車産業の戦略の戸惑い、展望が見越せない不安定感を示すもので、研究開発費の世界的な遅れ、後退にもつながっているようにみえる。

 (4)昨日は夕方に突然にスピーカー車が何やら(よく聞き取れない)119通報がかからなくなっているようなアナウンスをして回っていたが、ネットで調べてみるとソフトバンク回線で通信障害が発生しているとのことだった。

 使用しているエリクソン社の交換機のソフトウェアに異常が発生して、同型使用の世界11か国を巻き込んで同時通信障害となったようだ。帰宅時など多くのタブレット利用者に影響が出て、前述のようにスピーカー車の巡回となり公衆電話に長蛇の列が出て一気に時代感覚を後戻りさせる事態を招いた。

 (5)ソフトバンクとしては今月19日に株式市場に上場する予定の矢先での世界同時発生の大規模な通信障害であり、意図的な外部からのウイルス攻撃かと懸念したが、提供するエリクソン社製のソフトウェアの「あたり」が悪かったのか「旧式」に戻すことで回復したところに開発競争にさらされて次々と新開発システムをつくりだすネットワークシステムの前のめりの脆弱(ぜいじゃく)性、弱点をさらしたものだ。原因は不明だ。

 (6)情報化時代、社会で世界共通のタブレット情報文化の共有が進み、高度化、速度化、便利になったが、ネット企業の顧客情報が大量に流出するなど情報安全管理に問題もあり、研究開発費の高騰による新システム開発競争のネット情報文化に人間が振り回される危険性を「旧式」ソフトウェアが救うという、パラドックスネット社会(paradoxical internet society)をみた。


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