いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治無関心とコロナ。 political unconcern and corona

2021-05-05 20:03:21 | 日記
 (1)今日的社会は政治無関心といわれる。民主主義の本質である選挙は20~30%、せいぜいたまに高くて40~50%そこそこの投票率で争われて議会勢力が決められる。本当にコアな支持層に選ばれた議員、政治は当然のように国民、市民を向かずに固い支持勢力だけを向いて、都合のいい政治を行う。

 (2)菅首相が象徴的で国民向けメッセージの発信は極めて少なく、言葉が足らなく、本心がないから言い間違いが多く、説明をつくさない。自らを支持するコアな固い勢力(自民5派閥支持など)だけが頼りの政治なので、説明する必要もない。

 4月に実施された北海道、長野、広島の国政補欠選挙で自民、公明与党系候補者が全敗したにもかかわらずに、菅首相、自民党は他人事のようにさほどの危機感もなく立て直しの声も自民党内からは聞かれない。

 (3)3度目の緊急事態宣言発出でも人出、感染者は増加高止まりが続き、大阪、東京知事は大型連休中はステイホーム、県境を越えての移動自粛、外出をしないよう要請しているが、知事の声は住民には届かずにまるで聞く耳を持たないかのようだ。

 有権者の過半数が選挙にかかわらない冒頭の政治無関心の状況、事情が深く影響していると考える。

 (4)選挙に関心がなく、それでも日常生活、自分の生活は何とかなる、維持できるそれでいい小市民的国民意識(petite bourgioisie)が底流にあり、自分の収入、生活以外にはあまり関心を示さない個人主義社会だ。

 小市民的国民意識と書いたが、国民、市民だけの問題、責任ではなくそういう国家、社会にした政治、政治家の責任は大きい。

 (5)政治は野望、独善、権力願望のものであるが、かっての自民党長期政権時代はそれでも日米安保、沖縄返還、列島改造など野望、独善、権力志向の中でも国民、市民利益も考えた政治力、変革、展望もみられた。

 しかし安倍前首相、政権が象徴するように、政治は野望、独断専行、権力実現中心となり、自らの掲げる強い保守思想政治による憲法改正を目指して経済利益優先の小市民的国民意識と相まって個人主義に特化した独断政治が主流だ。

 (6)こういう政治志向、状況の中ではコロナ感染拡大危機の知事がいくら脅威、警戒、行動自粛を強調しても国民、市民には届かずに、政治は無視されるが、個人にかかわる給付、支援には敏感に反応して政治への不満、批判は高まるパラドックス性(paradoxical)だ。

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