いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

正義と道義にもとづかないバイアス。 bias is not based on justice & moral

2021-05-18 20:08:33 | 日記
 (1)イスラエルとパレスチナの双方の軍事攻撃に対して国連安保理が緊急会合を開いて即時停戦を求める声明発表の準備にとりかかったが、議長を務めた中国王毅外相は「ある国の妨害で安保理は声を一つにできていない」(報道)とバイデン米大統領が先日イスラエルの自衛権を支持するとして、外交交渉優先をとる米国の立場を批判した。

 (2)国連安保理は米国、中国、ロシアが拒否権を持ち、このうち1国でも反対すれば協議はまとまらない。一見、多数決意見に流されない少数意見の尊重のように見えるが、違う陣営同士の利益優先の大国主義によるものだ。

 今回は中国王毅外相がイスラエルとパレスチナ停戦声明に反対する米国を批判したものだが、その中国もミャンマー軍事政権の銃攻撃による市民デモ鎮圧で多数の死傷者が出ていることについては、ミャンマー軍事政権とのつながりのある中国が同じ安保理緊急会合の事態平定協議に対してはロシアともども規制に慎重な姿勢を示して、結束してメッセージを発表することができなかった。

 (3)どちらもどちらの大国主義のへい害で、立場を変えれば平然と相手国を批判するところがあまりに見栄見えで、国際政治が正義、道義にもとづかないバイアス(bias)なものであることを大国自らが示している悲劇、不幸だ。

 その度合いを論じることはあまり意味はないが、バイデン米大統領はトランプ前大統領の米国第一、保護主義政策の国際社会の不利益を修正する国際協調主義政策を打ち出しているのに比べ、中国は国内に言論統制、人権抑制政治を実施して、香港では中国に対抗する自由人権擁護派勢力をすべて一掃する統治支配を進めて南シナ海占有、東シナ海尖閣領域侵犯をくり返していながら、国連安保理でのミャンマー軍事政権の銃攻撃による市民デモ鎮圧規制には慎重な姿勢を示し、イスラエルのパレスチナ空爆攻撃には批判的な立場というのも変わり身の早さには信頼は置けない。

 (4)象徴的なのが毎日行われる中国外務省報道官の記者会見だ。日本、米国に関する事案の報道を見ていると、中国政府の利益、意見の主張で押し切り(これはこれで仕方はないが)相手国にのみ責任を転嫁する姿勢は理解できない。

 これは北朝鮮にもいえることだが、表現力が豊富で率直、わかりやすくすべて相手国の責任にしてしまう横暴さが目につく。

 (5)最近では日本政府の福島第一原発汚染処理水の海洋放出について、中国外務省報道官が食いついて痛烈に批判した。日本政府の周辺国への説明配慮に欠けた結果ともいえるが、日本でも地元自治体、漁業関係者の理解を得ない福島第一原発の除染した汚染処理水の海洋放出方針であり問題はある。

 海外からすれば同様の除染した原発汚染処理水の海洋放出は通常行われていることではある。これをどう考えるのか、もちろん日本の原発政策(原発の安全神話)の特殊事情の問題はある。

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