(1)清水寺の年末恒例の今年の漢字一文字が「金」となった。裏「金」問題で始まり、その影響による自公少数与党で終わる1年だ。手取りを増やすスローガンで躍進した国民民主が「103万円の壁」見直しを主張して、自公と協議を続けている。
企業献「金」禁止でも与野党が対立している。今年を象徴する漢字ならもうひとつの「禁」があげられる。
(2)今年のノーベル平和賞に日本被団協が授賞して、核兵器「禁」止に向けて世界に強いメッセージが伝えられた。授賞式に参列した同代表委員の田中さんは、帰国に向けて石破首相との面会が実現したら日本が参加していない核兵器禁止条約の署名について「日本の総理ができなくてどうするのですか、と言おうと思う」(報道)と述べている。
オバマ元大統領は現職時代に「核のない世界」を演説で提唱してノーベル平和賞を授賞したが、その後米露の核兵器依存が高まり逆行して核兵器競争時代に戻り、ノーベル平和賞の思いが伝わっていない。
(3)岸田首相時代にG7首脳会議が広島で開催されて、米英仏の核保有国首脳が広島平和公園、原爆資料館を訪れて何を感じ取っていったのか、ウクライナ戦争では露プーチン大統領が戦況によっては核兵器使用もありうると述べており「核のない世界」、核兵器禁止の道筋は見えない。核保有国は国連の核兵器禁止条約は核兵器製造、保有後続国などすべての核兵器保有を目指す国が参加していないことを理由に国連条約は不平等条約だとして参加しない理由としているが、それなら核保有国が率先して核後続国に製造、保有を放棄させるイニシアティブをとるべきだ。
(4)核保有国が特権、既得権としての核保有を進めながら後続国に核放棄を求めることなどできない。原発と同じだが、核保有国が核兵器廃棄、廃絶に向けた「行動計画」を示して「核のない世界」実現に向けて取り組む必要性がある。
(5)米トランプ第2次政権のこれまで科学的、医学的理論を否定してきたケネディ保健福祉省長官就任にノーベル授賞者77人が連名で指名反対を表明(報道)した。ノーベル平和賞はノーベル財団の評価、顕彰であるが、平和、安全保障実現の関連オブザーバーとして授賞個人、団体を国連の会議に参加させることを検討してもいいのではないか。