いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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北朝鮮制裁と自己矛盾。 sanction against north korea and self contradiction

2017-08-07 19:55:26 | 日記
 (1)これまでは中国、ロシアが反対して効果がみられなかった国連安保理の北朝鮮制裁決議が、今回は全会一致で具体的明記で北朝鮮に対する石炭、鉄、鉄鉱石を無条件で全面禁輸とする制裁決議案を採決(報道)した。

 北朝鮮の昨年の輸出額の3分の1(報道)に相当するもので、米国連大使は「過去最大の経済制裁」(報道)として相当の打撃が予想される。

 (2)これまでも安保理では北朝鮮に対しては過去最大級の制裁決議といわれるものが討議、決議されながら中国、ロシアが反対をして実効性がともなわずに、その間に北朝鮮は毎月のようにICBM級ミサイル発射実験をくり返して性能を向上させているといわれている。

 北朝鮮に対する危機意識の共有は世界的に広がっているということで、輸出額の3分の1を禁止する過去最大の経済制裁をして国連、国際社会は北朝鮮をどうしようというのだろうか、その先がみえてこない。

 (3)日本流でいえば戦国時代の城落としの兵糧攻めといわれるものだが、国連としても制裁決議の監視機関があるわけでもなくうたい文句ほど本腰を入れたものでもなくて、人道支援の問題もあり経済制裁で北朝鮮国内がさらに疲弊(ひへい)していったときにどうするのか、北朝鮮側に問題のある安保理制裁とはいえ戦国時代と違ってこのまま兵量攻めとはいかないだろう。

 現代日本人権社会では、戦国時代の兵量攻め手法には懐疑的なところもあり、国際社会でもどんな国に対しても人道主義、支援は否定されるものではないというバランスだ。

 (4)韓国の文大統領は北朝鮮に対して対話のアプローチを示したが、北朝鮮からは寝言(報道)と一蹴されて実現していない。中国は米国に対しては基本的には話し合い解決を主張しており、過去最大の経済制裁効果とともに韓国、米国の北朝鮮対話、話し合い外交も究極の方法論(ultimate methodology)として考えられるものだ。

 もちろんその前提として北朝鮮がミサイル発射実験あるいは核実験を中止することが必要で、兵糧攻めでその機運が生まれてくるのかが問題だ。

 (5)この背景には核保有大国が既得権益を独占して後発核開発国を認めない論理矛盾の安保理体制があり、今回国連決議された核兵器禁止条約にも核保有国、唯一の戦争被爆国の日本も参加しないということでは、北朝鮮ばかりに責任を転嫁することもできない自己矛盾(self contradiction)もある。

 過去最大の経済制裁で北朝鮮がおとなしくなることは考えられずに反発を強めることが予想されて、国際社会はどう反応するのか準備が必要だ。

 (6)朝鮮半島に危機的状況が生まれれば中国は本腰を入れて解決に向けて出てくるだろうが、やはりどこかで6か国協議の話し合いが持たれるべきで避けては通れないだろう。

 北朝鮮の核開発、ミサイル発射中止と兵糧攻め解除の取引き交渉が話し合われる6か国協議だ。一時北朝鮮にも話し合いによる外交機関の設置が報道されたこともあり、真偽のほどをあるいは6か国協議の開催について中国が調整を進める役割を果たすべきだ。

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