(1)中国では共産党員の増大が伝えられている。22年末時点で9804万人強(報道)で1憶人に迫り、従来の労働者階級主体から学生、ホワイトカラー層が増えているといわれる。ここ10年で1300万人近く(同)増えた。
若者の就職難を背景に党員資格を持つことが有利な条件となり、国策の背景もみえる。習近平国家主席は党規則を改正して異例の3期目の政権に就いて、終身主席を目指しているともいわれて、絶対権力体制を確立している。
(2)習主席は政権幹部を側近で固めて長期政権、絶対権力者の地位を固めて、中国共産革命で国家指導者となった毛沢東元主席と肩を並べる国家指導者になる意欲も伝えられたことがある。
毛主席は紅衛兵運動で文化大革命を推し進めて、都会の知識人、学生を地方の農業に従事させて中国共産党の基盤である労働者階級の思想革命に取り組み、これが若者の高度教育の遅れにつながり中国の近代化を遅らせる要因になったともいわれる。
(3)背景に違いはあるが中国共産党員はかっては労働者、農民ら38.3%に対して民間、国有企業従事者は32.1%だったが、22年末では逆転してホワイトカラー35.6%、労働者、農民ら33.3%、その他学生ら(報道)となっている。
中国はかっての労働者、農民階級の共産党革命世代から14億人国民消費世代による巨大市場経済主義導入により、今やIT革命世代が社会を支える米国に次ぐ世界2位の経済国となり、世界経済への影響力も増大している。
(4)習主席は中国共産革命を成し遂げた毛主席と肩を並べる権力、地位を目指すために、毛主席の紅衛兵運動の文化大革命による革命思想運動に対してホワイトカラー、学生の共産党員の増大(党員に占める大卒、短大卒以上の割合は22年末54.7%と大幅に上昇)で、共産党一党独裁国家体制を揺るぎないものにしようという意図、目論みがみられる。
(5)習主席は今年7月「さらに強力な組織体系を構築し、民族の復興という重要な任務を担う~幹部を育成」する指示(報道)を出している。天安門事件での当時の学生たが自由化要求を政府に突き付けて、これを軍投入で強制排除、鎮圧した時代からは想像もつかない中国社会の変化であり、政府の言論、自由統制、人権抑圧政策は変わらないが学生らの共産党員増大は今後の中国の変化がどこに出てくるのか、出てこないのか注目、関心、興味はある。