(1)4月は新社会人を迎える季節であり、岸田首相も参院決算委員会で自民党議員質問者から新社会人に対する言葉を求められて現在の自らの置かれた立場、心境そのままの答弁となった。「人生において無駄なものは何もない。どんな苦難も意味があると信じている。」(報道)と述べた。
(2)岸田内閣支持率は自責点も多く10%台もある低空、低迷が続き、国民不支持率は70%台と圧倒的に信頼はなく、それでも党内に有力な対立後継者も出てこずに何となくふわふわと岸田政権が続いているという苦難のモヤモヤ感の政治現象をみせられている。
これまでの自民党であればすでに危険水域を超えた岸田首相、内閣でこれに代わる後継者が手を上げ、声を上げて岸田降しで騒然としているところだ。
(3)国民の高い不支持率の中でも首相として国のかじ取りを任せられ、やっていれば、「人生において無駄なものは何もない」という心境だろう。「どんな苦難も意味があると信じている」のが本心なのだろう。岸田首相の実感がにじみ出ている。
(4)しかしこれから自立して世の中に出る新社会人に対しては、薦められない人生先輩の言葉だ。薦めれるとしたら、近年は就職してすぐに転職を考えて2~3年で転職する人も数十%はいるという結果もある時代で、こちらは勝手に周りが裏金問題で党内第大派閥安倍派を含めて政治圧力をかける派閥解消が進み、総裁、総理を目指す安倍派の幹部議員がことごとく引責に追い込まれて、経済は株価が最高値続きで春闘では5%超のこれまでにない高い賃上げを実現するという岸田首相に有利な状況が生まれている。
(5)岸田首相には不思議な巡り合わせで、人生において無駄なものは何もなくどんな苦難も意味があるという、何もせずともじっとガマンして待てば来るものは来るという心境の吐露だろう。
が、しかし、若い新社会人に素直に伝わるのか、受けいれられるのかは保障できない。時代はグローバル時代、IT、AI時代で若者は、時はもっと世界を見据えて冒険家で潔(いさぎよ)いものだ。