「いつんなったら親離れすんねん」
「ギャーギャー、ギャーギャー、けったくそ悪い」
「どっか障がいあるん違うか」
そんなひどいこと、村の男衆から言われて続けてるカラスの兄弟。
(兄弟やと勝手に思てるけど、姉妹やったらゴメンな)
いっつも定位置で見張りしてる。
一羽は火の見櫓の上。
もう一羽は、電信柱か、屋根の上。
何をどう見張ってんのかはともかく、
なんしか来る日も来る日も見張りしてる。
こんな日ぃもやで。
ほらあ。
もう一羽かて、ほらあ。
おーい、コタツでミカンなんかむいてるそこのおっさん、
この子らのこと、馬鹿にせんといたってんか!