「どんな社会にも利権に群がるグループがいる」
「政治家の場合はバレることがある、直近の渡辺喜美のケースがそれだ、どんな謀略があったのか、表面に出たことだけでは分からない、あるいは裏切りがあったのか」
「新聞だけでは、まず、実際のトコロはムリかな」
「これに比べて、高級官僚は、ほとんど、ばれない」
「それは、彼らは、何十年もかけることができるからで、たとえば、公共事業だって、ちょっとした条件をつけるだけで大手ゼネコンしか受注できなくなる、だから、何年か何十年かして、そこに天下りだ」
「ゼネコン側では、そのためのポストを用意してある、この仕組みがはりめぐらされてきた」
「交通安全協会が春の運動会を開いたんだが、参加者は、全員がケーサツ関係」
「ははあ」
「一等賞は旅行チケット‣30万円分、やるねえ」
「警察官僚の天下りのひとつが交通安全協会かな、それと」
「あの松本清張が書いていたね、当時、彼ら、必死になって、天下り先を開発していた」
「ヨコハマのパチンコ店、年末にはビールを何ケースか届けないと、ご機嫌が悪いんだって…」
「ホントーかな」
「明治神宮もその流れのひとつだろう、渋谷のウラ通りを歩いていたら、カキアゲそばが380円、神宮が650円、すごい格差だ」
「そうやってかき集めたカネ、なんに使うんだろう」
「急にだまりこんぢまった新聞や週刊誌、それとあっちの連中…」
「外国の観光客にもうしわけない、母親が子供に食べさせて、自分は食べない」
「そう、一杯のソバを二人で食べている」
「せっかく、日本が人気になったのに、こんなことをやっていたら、どうなるんだろうね、
神宮をとうといものとたずねくる
たずねるひとはなおもとうとき
このぐらいのこころがまえが、ほしいね」
「ところで天皇を頂いた明治の祭政社会、見事に近代化に成功したと言ってもいい」
「不思議なことだ、世界のナゾ、いや、世界史の奇跡と言ってもいいのかもしれないよ」