1月2日の一般参賀には、実に多くの人々が押し寄せるのだが、外人の多いのには驚く、当初は観光ルートに入っているのかぐらいに考えていた、そうではない、世界の二大権威のひとつに対面して一生の思い出にする、そういう人もいる、その時、私の前に台湾からの老夫婦、
「これで、思い残すことはありません」
「正月の空気に松の緑の厳かさ」、それは、戦後の教育が教えてこなかったことだろう。
今年も出かけたのだが、ショルダーバッグを肩に歩いていくと、検査所の方に誘導される、前方にヒトのカタマリ、小柄な婦人警官に、どのくらい待つか、
「30分は、かかります」
体調がよくない、有楽町に引き返した。
その前の年は突き進んだのだが、持ち物検査にボデイ‣チェック、気持ちのいいもんじゃあない、私の前に、二人のアラブ人がいた、別にイヤガリもしないのには、ちょっと驚く、こういうのは慣れているのかと、その時は思った、後で調べてみるとあの地域にはタイヘンな親日家がいるらしい、
「ニッポンをソンケイしています」
参拝者の列の脇にはケイカンや私服が、キョロキョロ・ギョロギョロ、すごい警備なのだ、きっとソードーインだったんだろう。
検査所のケンサには、変なもんは持っていかないい方がいい、地方からやってきたト金紳士、ずいぶんえばっている、
「これ、なんですか」
「あしのもちものです」
「ゴロゴロしていますね」
ズボンの上からタッチ、
「あしのもんは、おっきいんです」
「ふーん」
手をずらすと、
「このながーいものは」
「あしのピストルでーす」
「な‣な‣なんですって」
別室に、引っ張られていった、あまりミエをはらないほーがいいネ。