少年の芥川は、漢詩を愛し、なかでも中唐の李賀(790ー816)に心酔した、
長安に 男児あり
二十歳にして 心朽ちたり
人類史上、最高の文明・大唐帝国の没落を予知していたのであろうか。
27歳で夭折した詩人は芥川に重なる、
況や是 青春の日 将に暮れんとす
桃花乱れ落ちて 紅雨の如し・・・
「青春」に『桃花」それが「紅雨」、言語表現の妙は「ここに極まれり」。
そうだ、死せる美女を歌った・「蘇小小」は、
幽蘭の上の露は
啼ける目の如し
後世の人は、
李白は天才 絶となす
白居易は人才 絶となす
李賀は鬼才 絶となす
ふたつの才能が呼応し、共鳴している。