Sandy Denny (5)

Sandy Denny (5)

３枚目のソロアルバムを製作した後、ソロ活動を停止して、再び、Fairport Conventionに再加入し、一緒に活動することになります。この時、日本に公演に来ています。私がSandy Dennyを知る前の事です。
"Rising for the Moon"はその時出されたアルバムで、同名の歌はSandy Denny の作品。Fairport Convention というバンドから離れて活動していた彼女が再び一緒に活動するようになって歌ったもので、いつになく明るく、調子のいい、気分の良い歌です。青い空、白い雲の上を飛んで月まで行ってしまうような楽しい音楽です。いつも淋しい歌ばかりの彼女ですが、この時は楽しかったのでしょう。

"Rising for the Moon"
I travel over the sea and ride the rolling sky,
For that's the way it is, that is my fortune.
There are many ears to please, many people's love to try,
And everyday's begun rising for the moon.
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Sandy Denny (6)

Sandy Denny (6)

しかし、この活動も大変短くて、再びFairport Conventionを離れてしまいます。Trevor Lucasと結婚し、またソロ・アルバムを出します。この最後のＬＰが"Rendezvous"です。最初の頃のフォーク・ロック的、トラッド的な歌い方に比べるとずいぶん様子が変わって来ています。ポピュラー・ミュージックのような歌い方で、昔の彼女の歌い方が好きだった人は、この頃のSandy Dennyは気にいらないかも知れません。彼女の３枚目のソロ・アルバムからスタイルが変わったように思います。しかし、そうは言っても、彼女の歌は最初から最後まで変わっていないようにも思います。芯は１つで、表面がロックだったり、フォークだったり、トラッドだったり、ポピュラーやジャズっぽかったりしているだけだと思います。いつも、彼女は彼女の気持ちを素直に歌っていただけだと思います。

私は、この最後の"Rendezvous"が一番いいように思います。一曲一曲が記憶に残ります。歌い方も、気持ちが良く出ていますし、歌詞もそれぞれ、彼女の人生に対する感触が良く表現されていると思います。

彼女はこれを残して死にました。

死因は、友人宅の階段から落ちて、頭を打って亡くなったということです。意識不明のまま病院に担ぎ込まれ、２－３日後に亡くなったそうです。実は、この時、夫との仲がうまく行っていなかったらしく、夫は子供を連れて故郷のオーストラリアに行こうとしていたようです。茫然自失の彼女は友人宅に行っていて、そこで事故になったということです。彼女は、その前にも昏倒したことがあったらしく、その事から見ると、たんなる事故ではなくて、脳内出血が原因で昏倒し、階段から落ちたということも考えられるのかも知れません。かなりお酒が好きだったということですし、晩年はお太りでしたし、十分ありうる事だと、彼女の伝記の冒頭部分を読んで、思いました。しかし、真相は分かりません。確かな事は、数多くのファンがSandy Dennyを失ったということです。今でも、彼女が生きていたらなあと、つくづく思います。Fairportの連中が今でも、ジジ・ババになって活躍していると思うと、そう思うんですね。

"Rendezvous"の中にあるエルトン・ジョンの"Candle in the Wind"はマリリン・モンローのためのレクイエムですが、これは、彼女自身へのレクイエムになってしましました。

"Candle in the Wind"
Goodbye Norma Jean
Though I never knew you at all
You had the grace to hold yourself
While those around you crawled
They crawled out of the woodwork
And they whispered into your brain
They set you on the treadmill
And they made you change your name
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　　終