二銭銅貨

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大阪の宿

2008-07-05 | 邦画
大阪の宿 ☆☆
1954.04.20 新東宝、白黒、普通サイズ
監督・脚本:五所平之助、脚本:八住利雄、原作:水上滝太郎
出演:佐野周二、乙羽信子、川崎弘子、水戸光子、左幸子
   三好栄子、藤原釜足、安西郷子、

ぐっと、流し目で睨むように見つめる乙羽信子の視線の先の、
佐野周二はそしらぬ振りの知らぬ顔。
気を取り直して乙羽信子は、
「やい、三田公、飲め」と酔った振りして、
グイと突き出すコップ酒。
その手つき、その言葉つきの侘しさ悲しさ。
深く惚れてしまった女の不覚か。
それにしても佐野周二の醒めていることよ。

この醒めきっているような佐野周二が、
除々に大阪の宿屋の女中たちや乙羽信子などの、
大阪の人々の渦の中で人の真心を感じるようになる。

それにしても乙羽信子は報われない。
いつもそういう役が多いです。
えくぼはいつもの様に、
くっきり、はっきりしていましたが。

三好栄子はケチで意地の悪い嫌なババア。
だが、ちっと憎めない感じ。
川崎弘子は人のよさそうな実直な中年女性。
水戸光子は踏みつけられても、痛めつけれらても頑張る、耐える女。
左幸子は調子の良い、いわいるアプレゲール。
この他に藤原釜足、多々良純、田中春男、安西郷子など、
いい俳優が多くいて楽しい。

08.06.22 神保町シアター
コメント
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