ドン・パスクワーレ(日本オペラ振興会)2016
作曲:ドニゼッティ、指揮:菊池彦典
演出:フランチェスコ・ベッロット
美術:マッシモ・ケッケット、衣裳:クリティーナ・アチェーティ
演奏:東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団
出演:
ドン・パスクワーレ:折江忠道、ノリーナ:坂口裕子
マラテスタ:押川浩士、エルネスト:藤田卓也
ゲネプロ:
ドン・パスクワーレ:牧野正人、ノリーナ:佐藤美枝子
マラテスタ:森口賢二、エルネスト:許昌
ノリーナの能天気な声が空に響いてコロコロと、世の中のいやなことみんな忘れてしまう。天に届いてこだまするコロラトゥーラの心地よさに気持ちも緩く緩くほぐれて、ノリーナがどんな女だったかなんて忘れてしまう。多分、気分は空の上。雲の上、ジェット気流に乗って会場のみんなはパスクワーレ気分だ。
でも、坂口のノリーナも佐藤のノリーナも手厳しく、きつい感じで、「あの騎士のまなざしは」はゆっくりと、いくらかきつめに歌われる。ラストに合唱の中で歌われる部分も聞きどころ。坂口は柔らかいストレートな感じ、佐藤は強いテンションの高い装飾的なコロラトゥーラ。
折江は頑固おやじな感じの芝居で、声が良く通って手慣れた感じ。重量感もあるし、しっかりと芯の出た歌と芝居だった。牧野は声も芝居も真面目な感じのパスクワーレ。押川は紳士的で2枚目的な感じ。森口はキレのある声で迫力があり、悪党っぽい感じ。最初のうちは、ちょっと声がこもっているというか暗めに感じた。藤田は美声のテノールで、許昌は声量のあるテノール。
美術は前半が19世紀の画廊のような感じの古風なデザインで、後半が何もない壁の現代的なデザイン。布に書かれた画廊デザインがずるずると下に落ちて現代的なデザインが現れる。おおきな衝立2枚のような感じのセットなので声が良く響く作りになっていた。衣装のデザインは1900年代前半のもののようだった。各場面の歌に応じてきめの細かい演出がなされていた。プロダクションはドニゼッティ歌劇場のレンタル。
重唱に良いのが多い。重唱が楽しい。重唱だらけで、いろいろな組み合わせがある。合唱は後半にまとめて出て来て、それまで引っ込んでいた分のエネルギーを発散させて迫力が凄い。舞台裏でテノールが歌う「何て心地よい4月半ばの夜」の伴奏の一部をやる合唱もアンサブンルが良かった。楽器の演奏みたいだった。合唱と重唱、それにパスクワーレの軽快さとノリーナの明るさ。
演奏はしっかりとしいて、あせらず騒がずな感じだった。
「あの騎士のまなざしは」の対訳は、
So anch'io la virtu magica ラッララ、ラッララ
d'un guardo a tempo e loco, ラッララッララ~ラ
so anch'io come si bruciano ラッララ、ラッララ
i cori a lento foco, ラッラ、ラッラ、ラ~~~ラ
のような感じ。
びわ湖ホール、ニッセイ文化振興財団、日本オペラ振興会、日本センチュリー交響楽団の共催
16.07.02 日生劇場
作曲:ドニゼッティ、指揮:菊池彦典
演出:フランチェスコ・ベッロット
美術:マッシモ・ケッケット、衣裳:クリティーナ・アチェーティ
演奏:東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団
出演:
ドン・パスクワーレ:折江忠道、ノリーナ:坂口裕子
マラテスタ:押川浩士、エルネスト:藤田卓也
ゲネプロ:
ドン・パスクワーレ:牧野正人、ノリーナ:佐藤美枝子
マラテスタ:森口賢二、エルネスト:許昌
ノリーナの能天気な声が空に響いてコロコロと、世の中のいやなことみんな忘れてしまう。天に届いてこだまするコロラトゥーラの心地よさに気持ちも緩く緩くほぐれて、ノリーナがどんな女だったかなんて忘れてしまう。多分、気分は空の上。雲の上、ジェット気流に乗って会場のみんなはパスクワーレ気分だ。
でも、坂口のノリーナも佐藤のノリーナも手厳しく、きつい感じで、「あの騎士のまなざしは」はゆっくりと、いくらかきつめに歌われる。ラストに合唱の中で歌われる部分も聞きどころ。坂口は柔らかいストレートな感じ、佐藤は強いテンションの高い装飾的なコロラトゥーラ。
折江は頑固おやじな感じの芝居で、声が良く通って手慣れた感じ。重量感もあるし、しっかりと芯の出た歌と芝居だった。牧野は声も芝居も真面目な感じのパスクワーレ。押川は紳士的で2枚目的な感じ。森口はキレのある声で迫力があり、悪党っぽい感じ。最初のうちは、ちょっと声がこもっているというか暗めに感じた。藤田は美声のテノールで、許昌は声量のあるテノール。
美術は前半が19世紀の画廊のような感じの古風なデザインで、後半が何もない壁の現代的なデザイン。布に書かれた画廊デザインがずるずると下に落ちて現代的なデザインが現れる。おおきな衝立2枚のような感じのセットなので声が良く響く作りになっていた。衣装のデザインは1900年代前半のもののようだった。各場面の歌に応じてきめの細かい演出がなされていた。プロダクションはドニゼッティ歌劇場のレンタル。
重唱に良いのが多い。重唱が楽しい。重唱だらけで、いろいろな組み合わせがある。合唱は後半にまとめて出て来て、それまで引っ込んでいた分のエネルギーを発散させて迫力が凄い。舞台裏でテノールが歌う「何て心地よい4月半ばの夜」の伴奏の一部をやる合唱もアンサブンルが良かった。楽器の演奏みたいだった。合唱と重唱、それにパスクワーレの軽快さとノリーナの明るさ。
演奏はしっかりとしいて、あせらず騒がずな感じだった。
「あの騎士のまなざしは」の対訳は、
So anch'io la virtu magica ラッララ、ラッララ
d'un guardo a tempo e loco, ラッララッララ~ラ
so anch'io come si bruciano ラッララ、ラッララ
i cori a lento foco, ラッラ、ラッラ、ラ~~~ラ
のような感じ。
びわ湖ホール、ニッセイ文化振興財団、日本オペラ振興会、日本センチュリー交響楽団の共催
16.07.02 日生劇場