蝶々夫人/Festival Puccini2019
作曲:プッチーニ
指揮:Alberto Veronesi
合唱指揮:Roberto Ardigo
演出:Stefano Mazzonis di Pralafera
衣裳:Fernando Ruiz
美術:Jean-Guy Lecat
照明:Fernando Ruiz
演奏:Orchestra del Festival Puccini
合唱:Coro del Festival Puccini
出演:
蝶々さん:大村博美、ピンカートン:Stefan Pop
シャープレス:Bruno De Simone、スズキ:Annunziata Vestri
ゴロー:Marco Voleri
天気予報通り午後6時頃から雷雨となり、雨風ともに強く、今夜の屋外オペラの開催が危ぶまれた。主催者側は開演時刻までに中止にすることがなく、また開演時刻後に中止した場合は払い戻しがない。要するに中止でも払い戻しはない。これはべローナの場合も同じ。覚悟は出来ている。でも、にわか雨だ。これはやむかもしれない。
8時頃に小降りとなり、風は強いもののほとんど雨があがる。湖側から会場へ直接行ける小さな橋は閉鎖されていたが、陸側の道から会場に人々が集まり始めている。客席はまだオープンしていないので、ホワイエはそのうち客で一杯になる。しかし9時頃になると再び雨が降り始め雨足が強くなる。風も強い。9時15分開演は延期された。主催者側によると延期の最長は90分。観客のほとんどは辛抱強く待っている。座り込んでいる人も多い。にわか雨だし。これはやむかもしれない。
10時過ぎる頃に雨があがり、10時30分頃に開演となった。舞台ではスタッフが水をかきだしたり、準備にあわただしく働いている。風がやや強くテーブルにかけられた布が大きくたなびき、テーブル横の、ビーチパラソルのような大きな傘は閉じられている。オケピでは、べローナでもそうだったように、皆、洗濯挟みで楽譜を押さえている。でも、終盤近くで風が強まった時には、楽譜がめくれてしまったり、落ちたりすることもあった。
公演開始からしばらくは、風も弱まり安定していたが、終盤になると再び風が強くなりだす。オケピの演奏中でない人たちは、時々、空を見上げている。気が気でない。ポツ、ポツと2、3滴、雨粒が落ちてくる。大丈夫かな?
でも、大丈夫。最後まで終わった。カーテンコールもやった。団員も雨が降り出しそうな中、楽器をしまってカーテンコール中に無事撤退。全部やれた。
奇蹟。聖母さまのおかげ。かな。
開幕は普通の蝶々さん。セットも金閣寺のような形の質素な形の屋敷。芸者衆も蝶々さんも見た目は普通の和服。ところが2幕目から雰囲気が、がらりとかわる。蝶々さんはややショートカット気味のヘアスタイルで洋装。白ぽいブラウスに薄いくすんだ緑、無地のシンプルなロングスカート。登場人物も、スズキとボンゾを除いて皆洋装。蝶々さんの所作も西洋風。長崎でなくてイタリアのどこかの港街のよう。
子供は出て来ない。乳母車にのせて観客には見せない。蝶々さんが死ぬ間際、舞台上手にピンカートン、ケイト、シャープレス、スズキがいて、乳母車に乗せていた人形がばらばらになる。同時に頸動脈を切った蝶々さんが家の中から飛び出して来てドウと倒れる。ピンカートンがバタフラーイと叫ぶ。
ベリズモだ。蝶々さんってベリズモだったんだ。
面白いと思った。多分もう二度と見られないと思うけど、落ち着いた環境で、もう一度見てみたいと思った。
蝶々さんは、声がやや低めに聞こえるけれど、大音量の中でも負けない声量だった。何よりもベリズモっぽい芝居と歌が良かったと思う。スズキはやや神経質そうな芝居がこの演出に合っていた。シャープレスも神経質そうな小柄なおじさんだったが、声に迫力があった。ピンカートンは堂々とした感じ。
演奏は悪環境の中、破綻なく最後まで行くことができた。
とにかくワイルドな公演だった。終演後しばらくして雨になった模様で、翌朝は雨。 雨の中、会場のいくつかの旗の中央にタイトルロールの国籍を示す日の丸がはためいていた。
このプロダクションはベルギーのOpera Royal de Wallonie-Liege との共同新制作らしい.Wallonie-Liegeの9月の公演では佐藤康子がタイトルロールを歌う予定。Alberto Veronesiと大村博美は2017年や今年前半にラトヴィアでも一緒に出ている。
会場近くのプッチーニの別荘で今は記念館になっている所に三浦環のサイン入りのブロマイドあるいは絵葉書が額に入れて飾ってあった。「Al Mio Grande Maestro Giacomo Pucchini Tamaki Miura Milano 1923, 恩愛なるジャコモプッチーニ先生...」と書いてあった。
19.07.27 Gran Teatro All'aperto Giacomo Puccini
65 Festival Puccini (Torre del Lago Puccini)
作曲:プッチーニ
指揮:Alberto Veronesi
合唱指揮:Roberto Ardigo
演出:Stefano Mazzonis di Pralafera
衣裳:Fernando Ruiz
美術:Jean-Guy Lecat
照明:Fernando Ruiz
演奏:Orchestra del Festival Puccini
合唱:Coro del Festival Puccini
出演:
蝶々さん:大村博美、ピンカートン:Stefan Pop
シャープレス:Bruno De Simone、スズキ:Annunziata Vestri
ゴロー:Marco Voleri
天気予報通り午後6時頃から雷雨となり、雨風ともに強く、今夜の屋外オペラの開催が危ぶまれた。主催者側は開演時刻までに中止にすることがなく、また開演時刻後に中止した場合は払い戻しがない。要するに中止でも払い戻しはない。これはべローナの場合も同じ。覚悟は出来ている。でも、にわか雨だ。これはやむかもしれない。
8時頃に小降りとなり、風は強いもののほとんど雨があがる。湖側から会場へ直接行ける小さな橋は閉鎖されていたが、陸側の道から会場に人々が集まり始めている。客席はまだオープンしていないので、ホワイエはそのうち客で一杯になる。しかし9時頃になると再び雨が降り始め雨足が強くなる。風も強い。9時15分開演は延期された。主催者側によると延期の最長は90分。観客のほとんどは辛抱強く待っている。座り込んでいる人も多い。にわか雨だし。これはやむかもしれない。
10時過ぎる頃に雨があがり、10時30分頃に開演となった。舞台ではスタッフが水をかきだしたり、準備にあわただしく働いている。風がやや強くテーブルにかけられた布が大きくたなびき、テーブル横の、ビーチパラソルのような大きな傘は閉じられている。オケピでは、べローナでもそうだったように、皆、洗濯挟みで楽譜を押さえている。でも、終盤近くで風が強まった時には、楽譜がめくれてしまったり、落ちたりすることもあった。
公演開始からしばらくは、風も弱まり安定していたが、終盤になると再び風が強くなりだす。オケピの演奏中でない人たちは、時々、空を見上げている。気が気でない。ポツ、ポツと2、3滴、雨粒が落ちてくる。大丈夫かな?
でも、大丈夫。最後まで終わった。カーテンコールもやった。団員も雨が降り出しそうな中、楽器をしまってカーテンコール中に無事撤退。全部やれた。
奇蹟。聖母さまのおかげ。かな。
開幕は普通の蝶々さん。セットも金閣寺のような形の質素な形の屋敷。芸者衆も蝶々さんも見た目は普通の和服。ところが2幕目から雰囲気が、がらりとかわる。蝶々さんはややショートカット気味のヘアスタイルで洋装。白ぽいブラウスに薄いくすんだ緑、無地のシンプルなロングスカート。登場人物も、スズキとボンゾを除いて皆洋装。蝶々さんの所作も西洋風。長崎でなくてイタリアのどこかの港街のよう。
子供は出て来ない。乳母車にのせて観客には見せない。蝶々さんが死ぬ間際、舞台上手にピンカートン、ケイト、シャープレス、スズキがいて、乳母車に乗せていた人形がばらばらになる。同時に頸動脈を切った蝶々さんが家の中から飛び出して来てドウと倒れる。ピンカートンがバタフラーイと叫ぶ。
ベリズモだ。蝶々さんってベリズモだったんだ。
面白いと思った。多分もう二度と見られないと思うけど、落ち着いた環境で、もう一度見てみたいと思った。
蝶々さんは、声がやや低めに聞こえるけれど、大音量の中でも負けない声量だった。何よりもベリズモっぽい芝居と歌が良かったと思う。スズキはやや神経質そうな芝居がこの演出に合っていた。シャープレスも神経質そうな小柄なおじさんだったが、声に迫力があった。ピンカートンは堂々とした感じ。
演奏は悪環境の中、破綻なく最後まで行くことができた。
とにかくワイルドな公演だった。終演後しばらくして雨になった模様で、翌朝は雨。 雨の中、会場のいくつかの旗の中央にタイトルロールの国籍を示す日の丸がはためいていた。
このプロダクションはベルギーのOpera Royal de Wallonie-Liege との共同新制作らしい.Wallonie-Liegeの9月の公演では佐藤康子がタイトルロールを歌う予定。Alberto Veronesiと大村博美は2017年や今年前半にラトヴィアでも一緒に出ている。
会場近くのプッチーニの別荘で今は記念館になっている所に三浦環のサイン入りのブロマイドあるいは絵葉書が額に入れて飾ってあった。「Al Mio Grande Maestro Giacomo Pucchini Tamaki Miura Milano 1923, 恩愛なるジャコモプッチーニ先生...」と書いてあった。
19.07.27 Gran Teatro All'aperto Giacomo Puccini
65 Festival Puccini (Torre del Lago Puccini)