二銭銅貨

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安城家の舞踏会

2007-02-16 | 邦画
安城家の舞踏会  ☆☆
1947.09.27 松竹、白黒、普通サイズ
監督:吉村公三郎、脚本:新藤兼人
出演:原節子、滝沢修、森雅之、逢初夢子、神田隆、清水将夫
   津島恵子

原節子に始まって、
原節子に終わる。

高潔だけれども、人が良くて、世間知らずな滝沢修。
タバコをふかしてワッカを作ることに執念を燃やす、
堕落した長男の森雅之。
ギスギスして、気持ちの不安定な、出戻娘、姉の逢初夢子。
溌剌としていて、現実的、ポジティブな妹の原節子。

しっかりした考えを持って、ぐらぐらしている家族に、
はっきり意見する原節子は、いつもの静かなお嬢様とは違う。
「青い山脈」の時と同じような、
しっかりした意見を持った女性の心を、
自然に演じ出している。

お父様に向かってタックルする原節子。
お父様と一緒にタンゴを踊る原節子。
朝日に向かい、クローズアップの顔いっぱいに、
喜びを表現する原節子。

新藤兼人のトークショーあり。吉村公三郎の思い出について語る。吉村監督の数多くの映画の脚本を手がけたが、直しが全く無かったこと、松竹を一緒に飛び出したこと、巨漢であったこと、陸軍時代は吉村が少尉で、新藤が一等兵であったことなどを語る。安城家の舞踏会は会社側の企画で、実際に鎌倉あたりでにあった華族の没落の話をヒントに、そういう企画が出来たらしい。語りは大変元気で溌剌としていた。歩いているところは、お孫さんが付き添って、とても弱々しそうで、心配になってしまったのですが。準備中の新作の紹介もしていた。驚き。この人94歳で、市川 崑は91歳。
07.02.11 新文芸座

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