赤い砂漠
2008-10-19 | 洋画
赤い砂漠 ☆☆☆
Il Deserto Rosso
1964 イタリア、カラー、普通サイズ
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本:トニーノ・グエッラ
出演:モニカ・ヴィッティ、リチャード・ハリス
どうんよりとした薄曇、
風が冷たく、
すさんだ空気が漂う中、
唯一元気に工場の煙突が間歇的に炎を吹いている。
巨大な発電の工場はゴーゴーうなりをたてて、
煙を吐き、スチームを噴射して、
耐えざる騒音を構内に撒き散らしている。
そんな中で働いている技師達は無表情だ。
無感動だ。
人の心を失ったのか、
人でなくなったのか。
すさんだ工場外周の土地は、
絶えざる水溜りとゴミの溜まり場。
雑草や茂みがところどころにあって、
荒れ放題。くずれ放題。
そんな殺伐とした砂漠のごとき工場の周囲を1人、
いや、小さな子供を1人連れて、
ウロウロしているのがモニカ・ヴィッティ。
可哀相に縮こまって、
青ざめた表情に、
深いくすんだ緑のコートを羽織り、
何かに飢えて、震えている。
人から買った喰いかけのパンをかじる姿がいじらしい。
孤独だ。
誰も居ない、何も無い砂漠で1人ぼっちだ。
話しかける人も居ない、
話しかけてくる人も居ない。
涙も出ないし、
声も出ない。
虚無的で、無惨だ。
最後に船乗りに話しかける場面があるけれど、
この船員は外国人で言葉を解さない。
だから、彼女の話は独白と同じだ。
映画には数多くの人々が写るが、
彼女には誰一人として見えていないのではないだろうか?
映画に砂漠は出て来ないけれども、
「赤い砂漠」の赤が、
彼女がずっと昔の過去に流した血の涙だと感じられて、
それで、本当に可哀相だと思った。
若干、難解でわかりにくいテーマであり、また、表現であると思う。いろいろな感じ方のできる映画だと思った。フィルムが若干、変色、退色していて、色合いの感じがわかりにくかった。
08.09.14 NFC
Il Deserto Rosso
1964 イタリア、カラー、普通サイズ
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本:トニーノ・グエッラ
出演:モニカ・ヴィッティ、リチャード・ハリス
どうんよりとした薄曇、
風が冷たく、
すさんだ空気が漂う中、
唯一元気に工場の煙突が間歇的に炎を吹いている。
巨大な発電の工場はゴーゴーうなりをたてて、
煙を吐き、スチームを噴射して、
耐えざる騒音を構内に撒き散らしている。
そんな中で働いている技師達は無表情だ。
無感動だ。
人の心を失ったのか、
人でなくなったのか。
すさんだ工場外周の土地は、
絶えざる水溜りとゴミの溜まり場。
雑草や茂みがところどころにあって、
荒れ放題。くずれ放題。
そんな殺伐とした砂漠のごとき工場の周囲を1人、
いや、小さな子供を1人連れて、
ウロウロしているのがモニカ・ヴィッティ。
可哀相に縮こまって、
青ざめた表情に、
深いくすんだ緑のコートを羽織り、
何かに飢えて、震えている。
人から買った喰いかけのパンをかじる姿がいじらしい。
孤独だ。
誰も居ない、何も無い砂漠で1人ぼっちだ。
話しかける人も居ない、
話しかけてくる人も居ない。
涙も出ないし、
声も出ない。
虚無的で、無惨だ。
最後に船乗りに話しかける場面があるけれど、
この船員は外国人で言葉を解さない。
だから、彼女の話は独白と同じだ。
映画には数多くの人々が写るが、
彼女には誰一人として見えていないのではないだろうか?
映画に砂漠は出て来ないけれども、
「赤い砂漠」の赤が、
彼女がずっと昔の過去に流した血の涙だと感じられて、
それで、本当に可哀相だと思った。
若干、難解でわかりにくいテーマであり、また、表現であると思う。いろいろな感じ方のできる映画だと思った。フィルムが若干、変色、退色していて、色合いの感じがわかりにくかった。
08.09.14 NFC
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