● この項のタイトル: 羽田から英国・ヒースロー空港へ ●
初めて海外に行くことに多大な期待と不安があったが、最も心細かったのが一人での往きの空の旅であった。
当時の国際空港は羽田、そこから英国の玄関・ヒースロー空港まで一人で行くなんて考えもしなかっただけに不安が募るばかりであった。
英語も達者でないので隣の席に外人でもいたらどうしようとか、通関はどうなるのかと考えれば考えるほど心配ばかりしていた。
予定で一緒に行く人がキャンセルされたことを聞いた時は出張を辞退しようかと思ったほどである。ええ~い、どうにもでもなれと、いささかやけっぱちな気持ちであった。
何時の便であったか忘れたがテイクオフは夜の8時頃だった。航空会社は BA (英国海外航空) で機体は Boeing 707 であったように記憶している。
私の座席は機体左の二席ある通路側、左側に日本人が座っていたのを見て安堵した。その方は私の会社と取引のある商社マンでヒースロー空港の通関までお世話になった。
当時はシベリア上空の飛行は禁止されていたのでヨーロッパへ行く便は全てアラスカのアンカレッジを経由していた。
羽田を飛び立って初めて立ち寄ったアンカレッジで給油するため乗客は待合いロビーでしばし休息することになる。
びっくりしたのは日本語が通じることで帰りにも立ち寄るのでお土産の予約があって、その土産がたくさん準備されていた。
ソ連の崩壊に伴ってシベリア上空が解放されるとアンカレッジは過去の場所となったが当時の賑わいを知る者にとっては誰がそれを想像したであろうか。
ロビーの椅子でボケッと座っていたら突然肩を叩かれて振り返るとH設計部長の顔がありびっくりした。
別便で英国・ロールスロイス社への出張だが私の出張の話しを聞いて私を探していたとのことであった。
偶然の出会いのようだが私にはそれこそ願ってもない一瞬で、人との出会いの有り難さを思い知ったひとときでもあった。 (この項終わり)
今日は久しぶりに晴れました。洗濯物が良く乾きそうです。
今日アップした花は、ツツジに似た熱帯の花 「ムラサキソシンカ」 で、インド、中国原産のマメ科の植物です。
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