馬鹿なんですよ、私。今も馬鹿ですけど若い頃の私も馬鹿でした。馬鹿は死ぬまで治らない。私も同感です。
馬鹿だから騙されない様に必死に情報収集して生きてきたのですが、運の悪さはどうにもならない。結果はどっちに転んでも同じ。何かそんな風に想っちゃっています。今の状況を思うと。
さて、証券会社を辞めて上京し最初に勤めたのが株の業界紙です。整理記者をやらされました。でも私、このイライラする整理記者は2年が限界でした。
私、いろんな人に色々言われやすい気安い顔をしているのです。それで損して生きてきました。人とはドライに付き合うべき。私の場合、そういう生き方しか出来ない様です。
整理記者という仕事は挟まれるのです。記者と制作との間を取り持つ為に。兎に角、要望ばかり言われる。そんなの聞いていたら時間内に新聞なんか作れない。そのストレスが大変。特に下っ端は言われ放題。
それに比べ記者の仕事の何て楽な事か。自分の思い通りに仕事が出来る。書くのは楽しい。私ね本当に羨ましかった。
途中入社だから整理部に回されたのでしょうけど、株や経済の知識は社会部の者よりも絶対上。文章だって上。下なのは学歴と中途入社の立場だけだと己惚れてました。
そしてバブル崩壊で証券業界は雪崩のように崩れ落ちた。私が入社してた時点の発行部数が15万部からたった2年で5万部に減少。
それなのに会社は56億円を投じて新社屋を建設していたものですから、見事会社更生法適用と相成りました。まっ、そうなるだろうと思って私、その前に辞めちゃいましたけど。
次の仕事は絶対に記者。どんなことがあっても書く仕事。それも自由に書きたい。そうなると弱小出版社しかない。
私はこれでも多趣味です。雑学には自信がある。宗教、占い、歴史、株、不動産、自動車、アウトドア、釣り、オートバイ、健康等々なら少なからず知識がある。この分野で探そう。
そして見つけたのが月刊総合経済誌と週間株式速報を出している小さな出版社です。
ここの出版社の経済誌ですが、異常なくらい広告が載っている。儲かっている。前にいた株の業界紙は最初がボーナス12ヶ月だったのが10万円均一。終いには餅代となった。これだけ広告が入っているのなら凄く儲かっている筈。
しかも編集は私と副編集長とでやれる。社長は主幹と編集長を兼ねているが殆どノータッチ。これは遣り甲斐が有る。それで喜んで入社しました。
この出版社での出来事はまたの機会に書きますが、この出版社、総会屋系でした。だから広告だらけだったんです。えらい事になっちゃいましたよ。下手したら私、お上の御用になるかも知れなかったので。
まっ、それは何れまた。今回のお題は「ビックラーメンの男性専科」です。このお店、東京都港区虎ノ門1丁目にある中華飯店です。その総会屋系出版社の直ぐ近くに在りました。この出版社では残業代は出なかったのですが夕食は会社で持ってくれていたので、ここで食べていました。何時も一人で。
注文するのは大抵「男性専科」。今で言うと「ラーメン二郎」同様の野菜ワシワシの味噌ラーメンです。麺は多分一玉だったと思いますが、ボリュームがあって女性では食べきれない。だから「男性専科」と名付けたのだと思います。
美味しかったですねぇー。当時650円だったかな。この位の値段なら社長も文句はないでしょう。社長は大金持ちだし。
あの頃、私は28歳。総会屋になっちゃった。将来どうなるのか悩んでいたなぁー。悩んで悩んで今は最悪の結果なのか。否、最悪の結果だったら殺されていた。或いは刑務所だったかも。人生って分からない。もしかしたら最初から決まっているのかなぁー。
ネットで検索したらまだ「ビックラーメン」は健在の様だ。今、この「男性専科」を食べたい。28歳の自分に戻って。今の経験があれば28歳の若さなら何とか人生を上手く生きれそうなので。
機会があったら東京に旅に出て「男性専科」を食べて来よう。そして28歳の自分に戻ってみよう。何となく道が見えてくるかも知れないので。
ではでは。