父の部屋に行ったら、父が涙声で「死んだ、死んだ」と叫んでいた。
「母が死んだのか」っと焦って母や部屋を見たら母がいた。ちゃんと生きている。何を言っているのだ私の父親は。
父は急に瘦せ衰せた。体調が悪く食欲が無い。私は鬱病だと睨んでいる。
私も1か月半で約15キロも瘦せた事がある。東京に出て直ぐにだ。整理記者と言う仕事が全然合わなかったのだ。
そして初めての独り暮らし。浦安でたった一人のアパート暮らし。慣れるまで時間がかかったのだ。
私の両親も去年からアパート暮らしをしている。足が悪く3階まで登るのがきつくなったのもあるだろうが、私の世話になりたくなかったのだろう。私の料理はガンとして食べなかったし。
しかし、80代後半でのアパート暮らしは惨めだ。惨め過ぎて鬱になったのだ。ここまで惨めだとは考えていなかったのだ。
母親も認知症になった。心細くなったのだ。自分も死を意識する年齢になった。94歳まではクルマを運転すると言っていたが、アパート暮らしで急に体力が無くなった。もうクルマなんか運転できる状態ではない。
死が近づいている。死が怖い。死に恐怖している。その状態で母の直ぐ上の姉の長男が亡くなったと電話があった。自分よりも20歳若い義理の甥が亡くなった。自分も何時死んでもおかしくない。それに恐怖して涙声で叫んでいたのだろう。
日本人男性で一番多く亡くなる年齢は87歳だ。。父も87歳。死亡適齢期だ。死が後ろに迫っている。それに恐怖して涙している様に思える。
私は死はそれほど怖くない。私は直ぐ納得する。直ぐ諦める。そう言う人生を歩んで来た。その時になったら笑って自分の死を受け入れられると思う。私にとって生は辛い事の連続だったので。
さて、亡くなった従兄とはそんなに面識はない。何せ母は10人兄弟の末っ子なのだ。従兄弟が多過ぎるのだ。
震災直後の10年前に会った。当時57歳位だと思う。今の私と同じ年齢だ。お爺さん的なルックスだった。子供が多くいる。幸せそうだった。
人間、不思議なもので自分の人生に満足している者は老けるのが早いと思う。
幸せだから老ける。不幸で辛い事の連続で全然成長しない者、一つも成功した事が無い者は老けない。そんな感じがする。私がそれだからだ。
母の兄弟ではこれで3人目の逆縁だ。
やっぱり逆縁だけは良くない。その親の人生が最後に不幸で終わってしまう。子はやはり親より先に亡くなってはならない。
伯母ともそんなに面識は無いが、気の毒だと思う。自分の子の死に顔なんて誰だって見たくはない筈だ。
やっぱり逆縁だけはダメだ。
親が憎い。親に復讐したいとの思いが無いのであれば、逆縁だけは避けなければならない。
それが人生で一番大切な事の様に思える。人生は案外単純なものだ。親より先に死んではダメだ。
それは自然の原理に反している。逆縁だけは絶対にダメだ。
ではでは。