続きです。
次の登場人物は私の母方の伯父です。以前は横浜で日産の下請け企業を経営していました。それが日産に下請けを切られ、あっけなく倒産。深刻なノイローゼ状態となり、41歳で私の家で働く事になったのです。
母の兄弟は10人兄弟で、結構な規模の会社を経営している伯父の弟もいるのですが、「あの兄貴とは合わない」と言う事で雇って貰えず、仕方なく仙台まで来たのです。
その弟ですが、某学会に毎年1000万円奉納しているので、伯父を雇う余裕はあった筈です。それなのに妹である母に押し付けた。
実は私、その弟が経営している会社で製造している磁化療法なる機械を購入し、カイロプラティックみたいな治療院を経営しないかと持ち掛けられたことがあります。その機械は定価600万円だけど、400万円に負けてくれると言われて。
この磁化療法の機械ですが、強い電磁波で身体をほぐす機械みたいです。それから低周波治療器で痛めつける療法となります。
一回の治療で5000円。大変儲かる。全ての相撲部屋でも導入していると言ってました。
その伯父から磁化療法の本を貰ったのですが、元高見山の東関親方と曙が磁化療法の機械の一部を持っている写真が載っている。経済評論家の三鬼陽之介が治療を受け、その体験談を語っている。
それ以上に驚いたのが、小児麻痺の50代の男性が曲がった身体でやって来て、治療を受けたら身体がシャンと真っすぐに治った。こんな事って・・・。
小児麻痺の曲がった身体が普通の人の様に真っすぐに治ったら、ノーベル賞ものだと思います。大発明の筈。そんな事ありえるのか。
私は新聞販売業で多くの怪しい人物ばかり見てきましたから、大変疑り深い性格になっています。もしかして伯父は甥の私を騙そうとしているのか。
600万円の機械を400万円に負けてくれると言ってますが、400万円は大金です。肉親でも騙す対象なのか。それが人殺しの家系なのか・・・・。
私は伯父に疑いを持ち、この話を断りました。
今、「磁化療法」で検索してもネットには出てこない。その伯父も今年の3月に亡くなった。真実は分かりませんが、磁化療法の治療院が今は存在しないのであれば、磁化療法なんて効果が無かったと思う。
第一、電磁波で小児麻痺が治る訳がない。伯父は私を騙そうとしていたのではないか。
哀しいけど、そんな感じがしました。
続く。