ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

仮面ライダー 石ノ森章太郎

2012-05-08 12:24:00 | 

子供の頃に夢中になったヒーローに、仮面ライダーがある。

悪の組織ショッカーに改造されたが、逃亡して正義のヒーローとして現われた仮面ライダーには、当時の男の子たちに絶大な人気を得た。

私もその一人ではあったが、ひねくれものの私はライダーそのものよりも、個性的な怪人たちにこそ惹かれた。今だって蜘蛛男や、カマキリ男の姿を脳裏に浮かべることができる。

小学生の頃は、自分でいろいろな怪人を創造して、それをノートに書き溜めて友達に見せびらかしたものだ。けっこう評判良かったと記憶している。

余談だが、後年とんねるずがパロディで仮面ノリダーをやった時は爆笑したものだ。なんだよ、ラッコ男って。大笑いするしかないね。

それはともかく、恐ろしげな怪人たちにこそ、ある種のロマンを感じていた。昆虫や動物たちの能力を人間に取り込むことの、おぞましき悦楽に魅惑されていた。敢えて断言するが、この魅惑的な怪人たちあってこその仮面ライダーであった。

ところがだ、最近TVで放送されている仮面ライダーの番組ときたら、怪人たちのしょぼさに唖然とする。いや、怪人たちの外見は派手だ。カラフルであり、造形技術を駆使しての恐ろしげな姿であることは間違いない。

それなのに、怪人としての魅力が感じない。これは、その番組に夢中になっている子供たちも同様なようで、もっぱら仮面ライダーたちばかり見ている。率直に言えば、ラッコ男のほうがはるかにインパクトあるぞ。

ところで何気に書いたが、仮面ライダーたち・・・そう、何時の間にやら仮面ライダーは30人を超す大所帯となっている。もう苦笑するしかないが、私が見ていた初代ライダーや2号、ライダーマン、ライダーアマゾンなどの姿もあり、懐かしくはある。

だが、驚かされるのは平成以降の仮面ライダーたちの複雑さだ。敵役というか裏切り者のライダーもいれば、手だけしかないライダーもいる。ライダーを演じる若者たちは、そろいも揃ってイケ面のお兄ちゃんたちばかり。

これはライダーに夢中な子供たちに、しかめ面をするママさん対策だそうで、このイケ面ライダーに夢中なママさんたちもいる。なんでも、このライダー役から、人気俳優の道を駆け上がった人もいるらしい。

私が子供の頃は、ライダー対怪人こそが面白かったのだが、平成のライダーはライダー同士の関係が大きな役割を果たしている。怪人たちは、いつのまにやらライダーたちの引き立て役と化していた。

原作者である故・石の森章太郎は、もともとTV化を前提に表題の漫画を描いたそうだが、自分の死後も仮面ライダーが、このような形で続いていることをあの世でどう思っているのだろうか。別に根拠はないが、たぶんニヤつきながら楽しんでいる気がする。

自分の作り出した物語が、自らの死後も愛され、独自に物語が進行していく。多分、作り手としては最高の栄誉ではないかと思う。

ところでもう一つ、驚いたことがある。私が子供の頃は、夕方から夜にかけて放送していたはずだが、平成のライダーの番組は週末の朝に放送されている。

まだ寝床でヌクヌクしたい若いお父さん、お母さんを尻目に放送時間になると、眠い目をこすりつつ必死で起きてTVの前に座り込んでいるのが、今の子供たちだそうだ。

時代は変わる。わかっちゃいるが、朝っぱらから仮面ライダーに夢中な子供たちを観ると、時代は変わったと思わざる得ませんね。

コメント (13)
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