ここ数年、寒くなると私はスープを作る。
当初は味噌仕立ての鍋が多かったが、どうも塩分が多すぎる。そこで素材の塩分を活用するフランス料理のポタージュ、いわゆるポトフに切り替えるようになった。これが案外と種類が多く、多少の失敗を繰り返しながら、あれこれ作って楽しんでいる。
ちなみに失敗の原因の多くは具材の入れ過ぎである。種類が多いのは好ましいが、量を抑えないと結局グダグダになってしまい、味も落ちてしまう。私のスープ造りは如何に量を抑えて種類を増やすかが課題となって久しい。
これは映画製作にも共通するように思う。ケビン・コスナー主演のアドベンチャー映画なのだが、はっきり言って沢山の要素を持ち込み過ぎて、却って物語としての核が薄れてしまった典型的な駄作である。ただSF好きの私としては、大幅な予算超過を覚悟しつつ迫真の映像を作り上げた努力は認めたい。
駄作だと、予算オーバーだと誹謗されつつも実際には黒字を確保した映画であることも確かだ。大阪のUSJに行ったことがある人は見たことがあると思うが、この映画をモチーフにしたアトラクションは非常に楽しめる。実際私なんぞ3回も観ている。
映画として成功の可能性はあったと思うが、様々な様子を詰め込み過ぎて、却って印象が弱くなっているのが残念だ。そう考えると私が作るポトフも、もう少し具材を絞ればちったあマシな味になるかな。
あれこれ思うことはあるが、せめてケビン・コスナーの鰓の秘密ぐらい作中で明かせよとぼやきたくなる映画でしたよ。