ヌマンタの書斎

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油断大敵

2018-04-10 16:32:00 | 経済・金融・税制

都内の大通りを眺めれば、沢山の外国車を見かける。

やはりドイツの車(ベンツ、BMW、アウディ、VW)が多いが、アメリカのGMもけっこう健闘している。しかし、今や世界中で見かける韓国の現代自動車及び起亜の車を見かけることはない。

これは、両社ともに日本市場から撤退しているからなのだが、世界の自動車市場ではビックメーカーである。私は主に週末、CNNやCBS、BBCなどのニュース番組を見るようにしているが、CMでは現代と企亜が非常に目立つ。日本車やドイツ車、GM、フォードなどのCMもあるが、広告量では韓国の二社が圧倒している。

もっとも、起亜は現代自動車の子会社だし、それ以上に株主の大半がいわゆる外国人投資家で占められている。資本構成だけで判断すれば、韓国企業というよりも外資系企業である。

一応、本社は韓国に於いているが、経営は欧米主体である。そのせいだと思うが、欧米で受け入れられやすい車の開発、販売にかなり力を入れている。中国市場では、政治的な原因で近年シェアを大きく落としているが、欧米では微増であり、そのブランド力はかなりのものだ。

その躍進の原動力となっているのが、欧米のメーカーからスカウトした人材の活用だ。車のコンセプトから、販売戦略まで全て外国人に任せている。特にBMWからは、チーフエンジニアとしてアルバート・ビアマンを。またアウディから引き抜いたピーター・シュライヤーを経営陣に加え、欧州で喜ばれる車の開発に邁進してきた。

その一つの成果がグランディアGTである。デザインは斬新だし、性能も高く、欧米でも評価は高い。韓国車の弱点とされた細かな品質管理も相当上げてる。かつて、自動車を製造するための工作機械は、型落ちのものを安く導入していたが、現在はドイツや日本の最新型を導入しているのだから、車の品質が上がるのも当然である。

写真で見ただけだが、同クラスのトヨタのレクサスや、マツダのアクセラと比べてもデザインでは勝っていると思う。知らなければ、イタリアのスポーティカーだと見違えるほど、良いデザインだと感じる。しかも車の性能も高く、その上少し値段が安いのだから、これは売れる。

唯一弱点があるとしたら、自動車レースの世界では、起亜も現代も確固たる実績が乏しいことだろう。これはイメージの点で、ホンダやトヨタ、日産に大きく差が付く。でも、アメリカ人はそのあたり、一般的には気にしないから、単純に人気が出て売れると思う。

日本国内を走っていないからといって、油断していると家電のように大きく市場を奪われますぞ。特に妙に共通のデザインを強引に導入して、かえって車のイメージを落としているホンダやトヨタは要注意だと思いますね。


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