嫌な予測だが、まだまだ当分は円安は続くと思う。
先週、財務省やら日銀やらのお偉いさんが、投機的な円安誘導は許さないなどとほざいていたが、相変わらず責任回避が上手い人たちである。
その国の発効通貨の評価は、その国の経済状況だけでなく政治的安定度、軍事的安定度などが複雑に絡み合って決まる。もっとも投資家の対象となる一定の先進国の通貨だと、投資の有効度なども評価の対象となる。
現在、一ドル150円台に入っている日本円だが、これは三十数年ぶりの円安であり、ぶっちゃけ日本の評価の低さでもある。先に結論から言えば、岸田政権の間は決して円高基調にはなれないと思う。多少の変動の枠内でも140円台後半に入れば御の字だと思う。
これは岸田首相一人の責任ではなく、むしろ変化を厭う日本国民全体の意向を汲んだ円安だと私は考える。平成のバブル景気の発端は85年のプラザ合意による急速な円高だった。当時の日本も円高不況などと騒いでいたが、円高により国内に利益が蓄積され、その資金の行き先が株と不動産しかなかったことがバブル景気を生み出した。ちなみに当時は一ドル100円を切る円高であった。
実は株と不動産の異常な高騰を招いたのは、国内に根深く残る規制に守られた脆弱な産業が原因だ。お役所日の丸に癒着する建築土木、農業、漁業の他、港湾施設を始め規制緩和により新たな需要喚起を必要とする分野は沢山あった。
しかし天下り利権に拘る官庁と、その官庁に守ってもらい変化を厭う業界とが規制緩和を妨げた。その結果、株と不動産に資金が雪崩れ込んだ。これが平成バブル景気である。
一方、今回の円安はいささか事情が異なる。一言で云えば無為無策の結果の円安である。これは日本国内に新たな投資先、新規事業がないことが大きな原因だ。本当は新規の投資先、新事業はあるのだが、規制によりそれが出来ないだけである。
一例を挙げれば銀行を中心とした金融業界である。ここは財務省の縄張りであり、貴重な天下り先でもあるので、大規模な規制緩和はしたくない。やれば外資という黒船に食い荒らされると思っている。まぁ経営力の引き日本の銀行では、海外とりわけ生き馬の目を抜く苛烈な業界で鍛え上げられた外資系銀行には敵わない。それが分かっているので、外資が求める規制緩和を徹底的に拒否してきた。だから外資系金融機関の日本撤退が相次いだ。
流通業界について云えば、現在日本の港湾は時代遅れに過ぎ、韓国の釜山港や上海に大きく後れを取っている。一言で云えば、大型のコンテナ船を日本の港湾施設では扱いきれないのが原因だ。この港湾は、昭和の頃から規制に縛られているだけでなく、港湾組合という強固な利権組織が仕切っているため、近代化を進めようとしても妨害されてしまう。いわば官民一体となって合理化、近代化を拒んでいる。
他にも規制緩和により新たな投資先、新たな事業展開を期待できる分野はかなりある。しかし、日本は官庁も企業も個人もそれを厭う傾向が強い。だからこそ低金利どころかマイナス金利のような異常な状態が続いた。ようやく日銀が金利のアップを公表したが、市場の予想どおり壁の染みにような地味過ぎる変更であったため円安傾向は変わらない。
一方、株式市場は日経平均が4万円超えであり、一見好景気にみえる。でも、実態は違う。一ドル100円台のバブル景気の頃に比べれば、現在の一ドル150円台の為替水準では、まだまだ日本の株式市場は安く見えるだけである。まぁあくまで海外からの視点ではあるが、このことを無視して史上初の4万円台などと浮かれるのが、如何に愚かかが分かると思う。
この状況を変えることが出来るのは政治だけだが、岸田内閣はこの機に最大派閥の安倍派を潰すことに夢中で、国内経済の立て直しに興味がない。だから当分円安基調は変わらないと思うのです。
レームダック化した岸田さん、早く辞めたら良いのに、なかなかしぶといですね。しかし岸田さんが辞めたとして、次の首相の器になりそうな政治家が思い浮かばない😢。
岸田さんの最大の欠点は首相になることが彼の政治家としての最終目標で、首相になった時にこの国をどのような国にして行くかのヴィジョンがなかったことでしょうか?
大河ドラマ「光る君へ」で、生い先短い藤原兼家が息子の道長に「家名を残すこと、藤原家を存続させることが最も大事」と言っていましたが、権力者は皆そんなものなのか、岸田さんも息子に政治家の職を継がせることしか頭にないようですね。
国賓待遇の訪米も憂鬱の種でしかありません。何を手土産にするのやら…米国は日本を属国としてしか見ていないだろうから。
円安傾向に歯止めが効かない状況ですが、個人的には今年も海外旅行に行く予定です。(本人曰く)夫のタイムリミットが迫っているので😅。
海外は個人で一都市滞在が基本なのですが、昨年はイタリアの地方都市だけを巡る趣向に惹かれてツアーに参加しました。
円安と燃料高と物価高で、ツアー代金はコロナ前の1.5から2倍。参加メンバーの顔触れは旅慣れた方々ばかりで、中にはビジネスクラスで150か国を旅したと言う女性経営者もいました。
そう言う方々にとっては円安なんて屁でもないんですね。常に海外旅行用に多額のドルやユーロをプールしているので、為替の変動に一喜一憂しないようです。都度両替するウチとは大違い😅。
「失われた30年」って、自動車産業に続く、国の経済の基幹となるような新たな産業を生み出せなかったことなんですよね。
1ドル200円代、行くと思いますか?
私はそこまで円安が進むともう生活力を失ってしまいそうなので、150円代で止まり135円くらいで落ち着いて欲しいのですが…許容範囲はそこまでです。
岸田はん、アメリカ行ってウクライナ支援の肩代わりを引き受けて帰ってきたらどうしようって感じですね。
ヤツがご機嫌で余計な事を引き受けたら、もう心の底から飛行機落ちろって祈っちゃいます。
アメリカの属国であることはある意味幸せです。一番まずいのは敵国とみなされることですから。まぁ軍事的には既に完全な従属下にありますけど。
「失われた30年」は経済だけでなく、本来は硬直化した政治や行政も含めてのことだと私は考えています。みんな既得権にしがみつき、無責任化してますから。