
Photo by Ume氏(再録)
芝平の集落からさらに少し上がると、山室川の第1堰堤がある。きょうの花はそこが撮影場所で、日付は5月1日とある。花を透かして、ヤナギや白樺の芽吹いたばかりの初々しい葉の淡い色も見える。きょうのような曇天の寒い日では、こういういかにも山の春といった情景は想像しにくいが、それでもあと二十日もすればいやでも目にすることができる。ここまでくれば待つのも楽しみだ。
一昨日の思いがけない雪降りのせいで、またしても秋葉神社へ行く機会を逸してしまった。車でだが、それでも行く以上は、塩の道・秋葉街道(152号線)の、「地蔵峠」や「青崩れ」ぐらいはしっかり足の下にしておきたいとかねてから思っていたのだが、果たして雪の影響があるのかないのか。
地蔵峠はこれまでに二度か三度通っている。青崩れはまだ行ったことがない。それだけにもうずっと以前から、この峠は秋葉神社と同じくらい行ってみたい、気のそそられる場所になっている。
手許に小林千展著「秋葉街道・天竜川 ひとり歩きの旅」という本がある。前にも一度呟いた。原村の村役場を定年退職した人が分杭峠から秋葉街道を歩いて秋葉神社、さらに天竜川河口まで足を伸ばした写真入りの、丁寧な旅の本である。同書を知ったのは写真家のIさんからで、入手に手間取っていたら有難くも送ってくれた。
この本を読んで、著者には全く脱帽した。同じことを長い間考えてきたが、実行できないまま馬齢を重ね、それだけに、頭が下がった。加えてこれだけの丹念な記録である。沿道の神社仏閣などの紹介にも大変な労をさいていて、しかもそれを一書にまとめ、上梓した。これは大変なことだ。とても真似できない。
しかし、こういう人や本を知ってしまうと、先を越されたという気になるのもまた否定しがたい。狙っていた未踏の山巓を、遥かに困難な方法で、すんなり、あっさりと攀られてしまったような気分にも陥った。その挙句が、仕方ないから取り敢えず車ででもと軟弱なことを考えたのだが、このままではそれさえも覚束ない。合掌
F破さん通信拝読。お蔭で、HAL奴は安穏として寝てばかりです。
案内「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)を作りました。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。