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快晴、今朝6時半の気温は5度を切っていた。凄みさえ感じる濃紺の空、いよいよ秋は本領を発揮し、その下に朝日を浴びた山々や広大な眺めが、特に今朝は一段と輝いて見えていた。いや、それどころか、御嶽、乗鞍、穂高、槍・・・、さらに北ア北方の峰々は新雪を山肌に残して、一足先に冬へと移行してしまったようにさえ見える。
その人はよく知られた女優のようだが、どうしてここは外国のような景色に見えるのかと尋ねられ、返答に窮した。周囲にあまり目にしない木が多いということからの感想だと、後で別の人から聞いた。多分、一群のコナシの木と、視界の半分を占める大きな澄んだ空がそう感じさせたのだろう。
そのコナシの葉が大分赤みを帯びてきた。病葉となってすでにかなりが散ってしまってなおこの木は、「性悪」などと普段は良く言われてないが、老優の艶やかさを真似て、最後の意地を見せているようだ。
昨日、半日を懸けて小黒川林道から御所平峠まで、数百㍍の山径の草刈りを終えた。まだ御所平のオタマジャクシの池までの径が残っているが、これはもう少し先になる。
新品の刈り払い機の歯はよく切れた。よく切れたが、小さな石に当ったくらいでも悲鳴を上げ、火花を散らした。
いままでの歯が出刃包丁だとしたら、今度の歯は柳刃のように繊細で、しばらくはその違いが気になった。それでも、少しづつ歯は痛めつけられその先を丸くし、使う側の方はその程度に合わせるから、切れ味は少し落ちたがそれでようやく馴染んできた。
どこかの都会育ちの娘を野良仕事の相手にしたばかりにさんざん気を遣わされ、しかしそれが一日経ったら姉さんかぶりもすっかり身に付きかいがいしく働いてくれるようになった、と言った塩梅か。
それはそうと、この古道の将来はどうなるのだろう。就中、北原新道を将来も守っていくことはかなり困難なことだと思われる。
草刈りをした範囲だけでも、伊那市の文字が白く記された杭が何本も打ち込まれていて草刈り作業を邪魔していた。しかし、もう大方、行政に携わる人は誰もそんなことを覚えていない、忘れているだろう。
北原のお師匠が担ぎ上げた峠の地蔵尊だけが、この先もずっと、この古道の変わりゆく様子を無言で見守るのだろうか。
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本日はこの辺で。