入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’25年「冬」(25)

2025年02月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

      上から見た洞口の坂、勾配が分かるだろうか
 
 雪催いの天気、降ったとしても大したことはない。せいぜい西山おろしの風に乗って舞う程度だろう。昨夜も雨が降ったのか草木や地面はすでに湿っていて、こんな日に限って落ち葉焚きを思い付くも、思い留まる。
 梅の枝は、暇に任せて少しずつ枝切りを続け、それが何十本にもなった。花のことも考えてやったから、3本の老梅は今春も花を咲かせてくれるだろう。

 先日、また白馬方面でスキー事故があったとテレビが報じていた。スキー場から飛び出して野山を滑る、いわゆるバックカントリースキーらしいが、救助隊に連れられて山を下って来た人たちは60歳、中には70歳の人もいたようで驚いた。
 雪煙を舞い上げて林間を、野を、所構わず自由に滑るだいご味は分かる気もするが、いかんせん、それをするに相応しい年齢とは思えない。
 現場がどんな状況だったか知るわけではないが、技量だけでなく、体力も物を言う深雪、その意欲は買うにしても、結局自力脱出はできなかったわけで、それが結果だ。さぞかし無念に思うだろうが、大事に至らなかっただけでも良しとするしかない。

 危険を承知で出掛けていく。そういう時が遠い昔にあった。事故を起こし、人にも世話になった。だから偉そうなことは言えない。
 この年齢で、単身雪の法華道を登って、入笠へ行くことすら年寄の冷や水だと嗤う人もいる。自分ではもちろん大丈夫だと思っているし、そうでなければ行こうとは思わない。しかし、誰にでも目算が狂うことはある。
 
 山の事故は大なり小なりそういうものだと思う。誰も雪崩に襲われたり、雪庇を踏み抜いたり、滑落を求めているわけではない。ただ、その可能性を極小にすることが「挑戦」でもあるから、ゼロにはならない。
 よく言う「困難を克服する」ということは一部の人には目的でもあり、それに魅了される。「山には死があり、街にはそれがない」と言った人もいたほどで、はなはだ不条理な理屈だが、頷けなくもない。

 山の事故、遭難についてはさんざん語られてきた。しかし、それで腑に落ちたということもないし、事故もなくならない。冒険は終わらない。
 仕方がないから20万年前、アフリカを旅立ったわれわれの祖先のせいにするしかないのかも知れない。
 本日はこの辺で。

 
 

コメント
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