なんて説明したら良いのかよく分からないのだけど,わざわざブログに載せることでもないか…と考えたり考えなかったりで1ヶ月近く経ってしまった.でも私だったら知りたいと思うことだから,書いておくことに….
息子が通うような,G&T(ギフテッド)プログラムを併設していないNYの一般校の裏事情.
気づいた切っ掛けは,今回の息子の1年生のクラス.各学年2クラスあって,「毎年抽選でクラス分けされる」と表向きは言われてる.が,クラス生徒の偏りが激しい.日本だったら普通どのクラスも平均的に成績の良い子悪い子,素行の良い子悪い子,普通の子を散らすじゃないですか?それが,子供の目にも分かるくらい,全然違う.
帰宅した息子が「お母さん,今度のクラス,煩い子やからかう子,先生の言うこと聞けない子,一人もいないの!」と即言ったほど.「そうか,それじゃああんたが一番問題児になるかもね…(去年は私語で注意されまくったからね…)」と話したりしたわけだけど…(汗).
確かに息子のクラスの子は,シティーワイドのG&T学校から戻ってきた女子を含め,「天才かっ?!」突っ込みたくなるような大人顔負け女子が2人,サイエンス分野に物凄い知識のある大人しい男の子も一人,他の子達はよく知らないけれど,とにかく努力を惜しまない子達ばっかり!!で構成されたクラスで,これは勉強させやすい環境だと,正直嬉しくなったほど.宿題があっても100%するんじゃなくて,プラスαして120%して提出するような子供達(と親達).私以外の他のママ達も,「こっちのクラスで良かったぁ」と小声で言ってる状態.
もう一つのクラスには申し訳ないけれど,先生は素晴らしい方のようだけど,所謂授業妨害をする問題行動のある子や,宿題や提出物をきちんとしてこない子(ここは親責任),遅刻や欠席の多い子(これも親責任),できない子をすぐにからかったりする子,集中力が短い子,勉強熱心だけど躾ができてない親の子などで固められていて,宿題なんかも100%じゃなくて70~80%で「出来た」と提出させる親の子.その中にポツンと周囲に影響されることなく黙々と勉強できる子を2人ほど入れてあるのが分かる(こういう子が本当の天才か?).もちろん,普通の子も散らばめられているけれど,いい迷惑かもしれない….
で,これはどういうこと?と気になり始め,潜って調査開始(まるで「家政婦は見た」状態).
すると,「ねっ,G&Tなんか行かなくっても,この学校に留まってても大丈夫じゃないかしら~て言ったでしょ?」とこっそり言う先生に,「この学校は,特定の生徒を固めてそのまま上のクラスへ上げていくよ.たとえ良くない担任に当たったとしても,生徒達で勉強していけるような環境にしてある.息子(めちゃめちゃ頭がいいと評判の子)と仲の良い子達は2年生からずっと同じクラスだよ.」という5年生のママさんなど,いろんな情報が聞けた.
なるほど,そんな裏事情があったのか,私もまだまだ甘かったな…と.
息子の学校は「インクルーシブ教育」といって発達障害や学習障害のある子も同じクラスで一緒に勉強するけれど(専門の先生が常に付き添う),その子達もNY市の学力テストを一緒に受けるため,一般公開されている結果は上位ではない.が,障害のある子達を除いた学校成績の大体の標準値や伸び率を学校側だけ分かるようになっており,ミーティングなどで詳細が知らされる.
逆に,一般校で常に学力テスト上位のところでは,移民の子で英語力の弱い子(学習障害はありません)や,学習障害のある子には初めからテストを受けさせないよう親に連絡してある学校がいくつか存在するということも,学校名を含め教育関係者を通し聞いてしまった.とに角一般公開の学校成績上位という位置づけを保つため,足を引っ張る可能性のある子は切るやり方.実際その学校ヘ子供を通わせている保護者も小声で「その通りだ.父兄は皆知っている.」と認めた.
ということは,一般公開されている成績別の学校順位なんて全く無意味だと思い知らされた.
またG&Tの小学校で盛り上がっているNYだけど,G&T中学校が充実していない学区も多く,そういう場合,折角G&Tの小学校に通っていても,中学校は一般校に通うしか選択肢がない場合もあるということ(引っ越せば選択肢は増えるけど).優秀なG&T中学校は,特定のG&T小学校からの生徒しか受け入れないとしているところも存在していることを知ってしまった.
まさに「見切り発車」とかいうのに値するみたい….いや,最初っからそれ覚悟でなのか?
やっぱり小学校選びは,「そんな先のこと!」と思わず,どこの中学校へ進めるのかを見てから決めたほうが賢明だと思う.G&Tテストで成績が良かったからといって,G&Tの小学校に飛び込むのではなくて,その先を見てから決めることが大事.私はそこまで深読みはしていなかったけれど,本能的にそんな臭いがして,学区内のG&T小学校へは「どこの中学へ進学しているか進学率を教えて欲しい」と問い合わせたりして,中学校重視で小学校を選んだ.おかしなことに,「そんな先のことは気にされなくても,我が校は優秀ですから」とか「5~6年も先の話です,今以上に優れた中学校ができる可能性もありますし」とか,「卒業生は皆,優秀な高校へ進学しています」とか言って質問に的確に答えなかったG&T小学校のほうが多かった.G&T小学校と中学校の数が合わないのも不審に思っていた点の一つ….
シティーワイドのG&Tスクールの殆どがあえて小中一貫校にしてあることも何か意味があると思っていたが,今は納得できる.NYの場合,小学校で学んだ勉強方法や努力を応用してくれる中学校に繋げないと,いい高校には入れないシステムになっている.中学3年の殆どを高校受験対策に当てがっているようだし.日本は中高一貫校が熱いようだけどね.
やっぱり裏ではいろいろある(でも結構あからさま),NYの教育事情でした.
クリックしていただけると励みになります